馴染みとたるみ
整体の施術にしろ、練習・トレーニングにしろ、
その刺激は体にとって、最初は「異質」な刺激になる。
それまでに経験していない刺激を、徐々に体が受け入れるようになる事で、
動きそのものや、動きの質が変わったり、また本来あるべき姿に戻るようになる。
刺激の影響は、何十時間にもわたって作用する。
意識では感じる事の出来ない、繊細な領域で、体は刺激を受け入れようとする。
時間を掛けながら、刺激に対して体は少しずつ適応していく。
体が変わるためには、絶対的な時間が必要だ。
カップラーメンがお湯を注いで直ぐに食べられないように、
照り焼きチキンの中心になかなか火が通らないように、
蒔いた種が直ぐに芽を出さないように、
味噌が食べられるようになるまで寝かせないといけないように、
変化を待つ時間が必要なのだ。
体に馴染ませないと、次の刺激を受け入れられない。
トレーニングでは、その時間がたるんでいるようにも思える。
勤勉な日本人ならではの、刷り込みだ。
僕も、自分の体に馴染ませるのが苦手だ。
待てない。
焦りを感じる。
馴染まない状態で、次を急ぐ。
やり過ぎる。
動かない体で、動きの悪いトレーニングになる。
ピークが来ない。
そんな失敗、腐るほどある。
そんな腐った山を、少しは肥やしに変えて、今がある。
施術を馴染ませる時間、トレーニングを馴染ませる時間は、
施術そのもの、トレーニングの刺激と、同じ重要性がある。
何かする時間と、何もしない時間は同等の価値。
休んだ者が、大事な時に力を出す。
そういうこと!