脱エナジージェル
最近のランニング業界の定番として、
レース中のエネルギー補給は必須!!
みたいなところがある。
10年前は、給水だけで、食べてもエイドステーションのバナナやチョコぐらいだった。
それが、エナジージェルやドリンクを持って走るのが、当たり前や常識とされる時代になった。
短くても30km、長くなると100kmや、
160kmに及ぶトレイルレースで発展した、レースの補給。
ハーフマラソンや、フルマラソンでも、補給しないとダメよって言われちゃう時代。
エナジージェルのメーカーさん、よくぞここまで市場を作りました。
ホント凄いよ。
でも実際、それぐらいでエネルギー切れする程、ニンゲンは弱くない。
自分の体には、使い切れないぐらいのエネルギーを持っている。
失速の原因は、ペース配分、体調を含めたコンディション調整の具合、トレーニング不足である。
それって、結局は全部自分に落ち度があって、どうしても人は見たくないし、認めたくない。
だから、外側に原因を求めちゃう。
補給しなかったから、失速した→次は補給する→失速しなかった→補給したから失速しなかった
って、どうしても考えちゃう。
で、今度は補給しないと、怖くなってくる。
いつ潰れるんじゃないかって、疑心暗鬼に駆られる。
で、もっと行くと、エナジージェルで速くなろうとする。
「補給したから失速しなかった」は、補給しなくても失速しなかった、かもしれないのだ。
補給した場合には、当然ながら、しなかったらどうなったか分からない。
だからこそ、レース中の補給がどの程度影響したのかを、測る必要がある。
自分の主観と、実際に体で起きているエネルギー代謝には、結構な差がある。
実際、補給がマイナスに働いていなければ、それで問題は無い。
けれども「食べ過ぎ・飲み過ぎ」で胃腸に負担を掛け、それでトラブルを起こすケースも多い。
人の身体は、車のガソリンタンクのようになっているわけではないので、
積み込めば長く走れたり、動けなくなるのを防げるわけではない。
日頃のトレーニングから、補給しないでどこまで自分が行けるのか探っておく。
むしろ、ぶっ潰れておくぐらい、してもいい。
それから、補給無しで進める距離とペースを伸ばすこと。
これが、トレーニングでやるべきこと。
できたら、エナジージェルは、いざという時のお守りぐらいのつもりで、
ランニングパンツのポケットに忍ばせるぐらいがいい。
だって、そんなにエネルギー切れを心配して、
無駄にジェル飲んでたら、そこにばっかり気が行って、
レースがおろそかになっちゃうでしょ。
静岡マラソンだったら、エイドステーションに山盛り置いてある久能の石垣イチゴを、
忍ばせておいたマイ練乳をサッと取り出してかけて、頬ぼるぐらいじゃないと。
エイドステーションの数十m手前から、キャップ外して、スタンバイ。
瑞々しいイチゴの山の、正しい通過の仕方。
レースの楽しみ方。
手が滑って、キャップがコロコロしたら、焦るね!
エイドステーションの係員も、ビックリするかな。
脱エナジージェル。
僕がスタートラインについて、練乳を握り締めていても、
至って真剣であることを忘れないで欲しい。
静岡新聞より、2017年静岡マラソンの記事から。
新聞には、ホントよく撮られる。