外部環境への適応と反応
10月もあっという間に下旬で、肌寒い時間が増えてきた。
昨年はもうストーブを出していたタイミングもあったので、
その時からするとまだ今年は暖かいのかもしれない。
寒暖差があると、風邪が流行る。
その年によって、ウイルスの持つ特性は違うので、様々な症状が出る。
どうも、今季の流行は呼吸器系に強く出るらしい。
咳が続く、痰が絡む期間が長い。
お腹周りや背中に強い腹圧がかかり、それをきっかけにぎっくり腰になったりもする。
風邪を引きやすくなるのは、
外部の環境が、自律神経系に影響を与えるからとされている。
自律神経系は、心拍、血管とリンパ管の動き、消化のペース、ホルモンの分泌などを、
ほぼ無意識のうちにコントロールしている。
自律神経系が乱れると、体の様々な自己調整機能に隙が生まれ、
その間にウイルスに浸け込まれる。
一般的にはこれが定説で、
この機序に沿っていると思われることが、毎年のように繰り返されている。
だから、季節の変わり目には体調管理に気を付けましょう。
と言う。
それはそれで、十分気を配った方がいい。
ここで疑問に思うのは「現代人弱すぎじゃないか!?」ということ。
建物の構造もどんどん良くなって、空調設備もどんどん良くなって、
快適に生活できる水準はどんどん上がっている。
公衆衛生も格段に良くなっている。
食べるモノにも困らないし、医療の発展も目覚ましい。
なんて素晴らしい世の中!
にもかかわらず、気温の変化だけで体調を崩す。
いや、にもかかわらずではなく、
快適に生活し過ぎて、体の様々な機能が退化しているのではないかと、
僕は危機感を抱いている。
過去の何万年、何千年の歴史の中で、
人類は今よりももっと過酷な環境にさらされてきたはずだ。
エアコンは無い。
床暖房は無い。
ヒートテックは無い。
ダウンジャケットも無い。
ムートンブーツも無い。
屋根があれば良い方で、密閉空間で生活する事は無かった。
滅菌、抗菌、無菌という処置や加工や製品も無かったはずだ。
過去の人類が歩んできた生活様式と、現代の生活を比べてみると、
今の快適な生活環境は、極めて急激な変化であるようだ。
テクノロジーが進歩する程、人は人である能力を失っていく。
これは確実に言える事だ。
これが時代の流れである。
そんな流れが強い程、抗ってみたくなるのが自分の性格。
体の本質的なもの、より良く生きる為の道を探す旅は、
こんな時代だからこそ必要なのではないか。
ちょろっと寒くなっただけで風邪をひく現代人を見て、そんなことを考えた。