症状よりも現象に目を
走る時に、どのように着地するか。
これは重要な技術のひとつであり、生命線でもある。
地面からの反発力のもらい方、そのベクトルで、
効率的に体が操作できるか否か、体が壊れるかどうかが決まる。
走動作を伴うスポーツでは、着地のスキルがそのまま成績に反映されていると言ってもいい。
整体の臨床では、立っている時の体重の掛かり方、
しゃがみ方、歩く時の体重移動の軌跡を見たりする。
上半身から足に無理な連鎖が起こっていたり、
足から上体へ、負の連鎖が起こっている事があるからだ。
足首の動きやクセは、可動性がある分強く出る。
末端に行くほど、好ましくない傾向が強まる。
足に何らかのトラブルを抱えているランナーの場合、
体の動きを視たり、話を聞いていると見えてくる事がある。
一番多いのは、頭の中が間違っているというケース。
それまでの知識、指導されてきた事、自分がこうあるべきと思っている体の使い方が、
破壊的な内容だったりする。
体の構造や働きに反して、ひたすら壊す方向性に使い続けている事がある。
それはもう、悲劇としか言いようがない。
それやったら、壊れちゃうよ!
もう勘弁してよ!!
みたいな体の声よりも、頭で正しいと思ったことを続けてしまう。
逆だよ。
逆!!
体で感じたものを、頭で整理するんだよ。
恐ろしいのは、コーチなり指導者が、
体の仕組みも構造も知らずに、破壊的な内容を指導している事だ。
コーチも悪気があるわけではない。
問題なのは、広くて浅く乱立している、情報の数々なのだから。
早い話、情報汚染で体を見失っている。
ネットの記事を読んだり、本屋で雑誌を立ち読みしたり、
流行で出版されちゃってる本を鵜呑みにして、
これこそが正義!と指導者ぶる。
すぐ染まっちゃう、鵜呑みにしちゃう。
日本全国、99.99%の指導者はこれ。
だから選手を潰す、壊す。
動きを探るというアプローチではなく、
これが正しい!というスタンスは、大概コケる。
頭の中で思い込んでいたイメージ、破壊的な内容に対して、
体にデザインされた使い方を、覚え直してもらう事が必要になる。
施術無しでも、それだけで故障から抜け出して、力をつけていく選手は沢山いる。
指導者には、是非とも目の前の選手の動きをよく見てもらいたい。