お手本であることは変わらない

僕らのヒーロー、イチロー選手が引退を決めた。
睡眠不足じゃ頭が回らないとか言いながら、深夜の会見に釘付けになった。
記者の質問に答える姿でさえ、一言一句にひきつける力があって、
この会見でさえ終わって欲しくないという気持ちになった。
みんな、イチローになりたかった。
野球をやっていたら、子供から大人まで、誰もが憧れた。
バッティング、守備、走塁、野球に向かう姿勢、考え方、全てがお手本だった。
卓越した技術を、試合の中で自在に操る姿は、いつ見ても引き込まれた。
僕も野球を始めた頃から、大学野球引退まで、イチローをお手本にしていた。
それだけでなく、野球に区切りをつけから、走るようになっても、仕事にも、
今でも、イチローをお手本にしている。
お手本にした割に僕が大した選手じゃなかったのは、目をつぶって欲しい(笑)
選手として一線は退いても、イチローがヒーローであることは変わらない。
まだまだずっとずっと、みんながイチローになりたいのだ。
もう20年以上も前の事。
おじさんにもらったお年玉で、イチローモデルのバットを買った。
嬉しくて、それで打ちたくて、毎日毎日振りまくった。
今でもそれは、宝物。
大学野球で最後に使っていたバットも、イチローモデルだった。
ヘッドのバランス、振り抜きの良さで、お気に入りだった。
もう振る力は無いけれど、これも宝物。
ニュースでは一切報道されていないけれど、
会見を観ていて印象に残ったのは、今の野球・ベースボールに対する危惧。
10年前に比べて、パワーもスピードも、桁違いに進歩した。
そのせいで、どんどん頭を使わない野球になっている事を危ぶんでいた。
その傾向は何年か続くだろう。
それを崩すのは、頭を使った野球。
僕もそんな野球が観たいな。
引退は寂しいけれど、イチローを益々好きになった会見だった。