酸素摂取量と酸素負債の分岐点を考える
いかにも運動生理学っぽいテーマ。
でも計算や理屈はあまりに面倒で味気ないので、今日はある事例を元に考察を。
僕にはコソコソと通う場所がある。
藤枝市内のお寺である。
座禅を組みに行くとか、そういうことではないけれど、
位置づけとしては「修行」だと思っている。
何をしに行くかと言うと、ただ階段を登りに行くだけ。
たった100mの階段のために、コソコソと足しげく通う。
僕は速いランナーではない。
でも、強さには少しばかりの自信を持っている。
特に登りに関しては、敵わない相手は日本でもせいぜい10人くらいだと思う。
登りが得意なのは、生まれつき受け継いだものもある気がする。
でも、それ以上に「修行」を積んでいるから、
富士登山競走でも富士登山駅伝でも結果を残すことができている。
今年の富士登山駅伝で僕が走った区間は、登りは2.88kmで664m登る。
タスキが山頂で折り返して復路に入ると下り区間は2.63kmで664m下る。
登りの傾斜は平均で23%になる。
酸素濃度はおおむね17%、ろうそくの火が消えるか消えないかの濃度。
足場は砂礫で、3歩進んでも2.5歩くらいズリ落ちる。
そんな区間でもグイグイ走って登ることができるのは、階段のおかげである。
ハッキリ言って修行で使う階段の方が、富士山より何倍も厳しい。
僕がコソコソ登っているのを、丸山歯科医院の丸山先生にも勧めてみたところ、
丸山先生のブログでは、階段は220段となっている。
しかしながら、修行ではその先のお姫平までの砂利階段もコースに含んでいる。
階段には何度も登っているため、かなりのデータがある。
お姫平までのベストタイムは1分13秒。
修行では、登って降りてのインターバルを何本も繰り返す。
今までいくつかの設定でインターバルを行ってきた。
①登り1分25秒~28秒(下りも含めた休憩2分)
この設定だと、7本終了で脚が動かなくなって8本目が出来なくなる。
②登り1分30秒~35秒(下りも含めた休憩2分)
この設定だと10本終了で脚が動かなくなる。
③登り1分30秒~35秒(下りも含めた休憩1分30秒)
この設定だと、6本終了で歩くのもままならなくなる。
1本ごとのタイム設定を変えるか、休息時間を変えることで、
こなすことができる本数がかなり変わってくる。
最もきついのは③で、心肺機能も脚筋力もオーバーヒートする。
脚筋力にも左右されるが、登りの数秒の違いと休息時間の違いが、
酸素の消費と供給量の分岐点の釣り合いを取らせなくするようだ。
酸素の消費と供給の釣り合いを取らせなくすることで、
心臓血管系、呼吸循環器系は能力が開発されていく。
体中のミトコンドリアも増大する。
③の場合、トレーニングにかかる時間は約17分である。
量より質を追求した究極のインターバルだと思っている。
一番やりたくない苦しいことをすると、人の力が伸びる。
週1回、17分間集中する。
僕のトレーニングは、実はこれだけだったりする。