HANZO驚異の耐久性
ニューバランスのHANZOシリーズが発売されたのは、確か今年の1月21だった。
発売前からシューズの情報は一切シークレットにされていて、「新作が出る」という告知しか無かった。
メーカーから販売店側にも、情報を降ろさず、フライングで販売することのないように注意していたようだ。
にも関わらず、発売日前に、僕はある店の隅っこに並んだHANZOシリーズを見つけた。
その時は特にHANZOのことも知らず、フライングして販売されていることも知らなかった。
ただ、見慣れないシューズだなと思い、手に取ってみて「これは!!」と思った。
HANZOシリーズは3種類展開されていて、「S」「R」「T」とモデルがある。
「S」は勝負用のレースシューズ
「R」も記録狙いのシューズで、Sよりも足当たりを和らげてある。
「T」はトレーニング用。
手に取って「これはいける!!」と思ったシューズは数少ない。
これまで履き潰してきたシューズは…数えきれない。
その中でもHANZOシリーズは、ランニング業界でシェアの多くを占めるメーカーのトップモデルを軽々と超える完成度だった。
発売前で、何の情報も無く、レビューも無い中で、僕は「T」を2足買った。
走り込みでガシガシ使いたかったので、Tを選んだ。
HANZOのすごい所は、通常相容れないものが両立している所だ。
シューズは軽くなるほどクッション性が弱くなる。
にも関わらず、HANZOは軽いのにメチャメチャ柔らかい。
そして、柔らかさと反発性は相容れないものなのに、反発力も強い。
軽くて、柔らかくて、反発するシューズなんて、これまで世界に無かった。
高反発で軽いものは、スピードは出るけれど脚力は消耗して、脚に優しくない。
柔らかいものは重く、反発が少ないのでスピードが出ない。
これが常識だった。
HANZOはそれを覆した。
そこに惚れ込んで、僕は静岡マラソンもトレーニング用の「T」で走った。
「T」は何でもできる。
40km走もできる、もちろん30km走もできる。
ペース走も、インターバルもできる。
1足でここまでできるシューズは、今のところ日本では見当たらない。
今朝、筋肉と神経に刺激を入れるために「T」で800mを1本走った。
2分10秒だった。
僕にとってはスパイクを履いてもこのタイムは難しいのに、「T」なら行けてしまう。
一番驚異的なのは、その耐久性だ。
今朝履いていたものは、1月末から履いているにも関わらず、びくともしない。
前足部のソールはへこむほど削れているのに、機能が全く落ちない。
アッパー(シューズの布の部分)に関しては、丈夫過ぎて痛んだ形跡もない。
ざっくりとした計算ではあるけれど、
2足で履き回している「T」は1足だけで恐らく1200km程は走っている。
一般的に600km~700kmが交換の目安と言われるシューズの倍だ。
これが
こうなる
でもまだ機能に落ちが無い
今後は、駅伝やトラックレースのシューズもHANZOの「S」や「R」に替えていこうと思っている。
他人の評価も、雑誌やカタログの評価や情報もなく、そのものだけを手に取って選んだシューズが、今じわじわと陸上競技界でも広がっているらしい。
自分の嗅覚で選んで気に入ったものが、段々と認められていくって嬉しいね。
HANZOを作った人に、会ってみたいな。