代わりの居ない仕事をすべし
「最適」
この言葉を目にする、耳にする事は多い。
スマホのアプリでも「最適化」という言葉はよく出てくるので、随分と馴染みのある言葉になった。
試しに「最適」という言葉を調べてみると「一番適していること」と出てくる。
そのまんまだ。
一番適しているなんて言うと、堅苦しい。
要するに、ざっくりと言えば、
いい感じにする、いい感じになる、いい感じであるという事。
最適化と言えば、いい感じに調整する、という意味になる。
この世の中には、数値化できないものが沢山ある。
長さ、重さ、大きさ、速さ、含まれる量等々、数字として測れるものは、ほんの一部だ。
数字として測れるものに、いい感じは無い。
数字は数字であって、そこに感覚が入り込める余地は無い。
対して、世の中の「差」は、数値化できない領域で決まっている。
ピッチャーの150km/hは確かに速いし、凄いボールだけれど、
150kmというスピードだから打たれない、という事は無い。
それが160kmであっても、そのボールを打ち返すバッターは必ずいる。
でも、球速が130kmや140kmぐらいでも、バッターを手玉に取るバッテリーもいる。
ここに、数字では測れない「差」がある。
数字では測れないモノを「最適化」する能力に価値があって、魅力があって、
僕らにとって必要不可欠な存在になる。
数字として測れるものには、いくらでも代わりがある。
数字で選ばれているものは、必ず取って代わられる時が来る。
より速いもの、より軽いもの、またはより量のあるもの、
燃費の良さ、安さで比較すれば、いくらでも代わりはある。
スペックの比較は、それはそれで重要だし、必要なもの。
測れるものに関しては、シビアになった方がいい。
数字で勝負しているモノは、全てにおいて数字が基準。
数値化できないモノを、いい感じに仕上げる。
測れないモノを、最適化する事が、人間の仕事。
例えば、全く同じレシピ、全く同じ材料を使っても、
10人が作れば10通りの料理になるように、
いい感じにも、色々ある。
その季節、その日の天気、その日の気分、そのご時世、
その時の状況、状態によって「いい感じ」は変わる。
常に変わりゆく「いい感じ」を、
その時最も「いい感じ」に近づける。
そんな仕事をしたいと、常に心がけている。