第75回富士登山競走 振り返り①
今回はレースを振り返る。
山頂コースのスタートは7:00
標高が高く、比較的涼しい富士吉田市にしては、
日差しが強く暑く感じた。
過去の大会を遡っても、75回大会は高温だったと思う。
僕はスペシャルナンバーカードを得ることができたので、
スタート前ブロック毎の整列には並ばなくていい。
最前列からのスタートが大会側から用意されている。
6:40頃からだろうか。
オープニングのセレモニーが始まった。
富士吉田市長が挨拶をする。
3年ぶりの開催にこぎつけるまでの思い、
やってきた対策、準備などから始まり、
全国から集まったランナーへ、感謝とエールを送る。
「この3年分の鬱憤を、今日は思い切り晴らしてください!」
これで泣いた人は、僕だけじゃないだろう。
今思い返しても泣けてくる。
簡潔なのに力強くて、市長の人間力が溢れる、
歴史に残る、心を動かす挨拶だった。
そこに、過去10回優勝のレジェンド芹澤さんの選手宣誓。
選手宣誓で、語る。
市長の挨拶で泣いているのに、それに追い打ちをかける。
反則である。
単なるセレモニーじゃない。
これが、富士吉田市のホスピタリティなのだ。
スタッフの対応の丁寧さ、
役割の理解度の深さ、運営の滑らかさ、
全てに人間の温かさがある。
山岳レース日本一決定戦というのは、表向き。
富士登山競走は、日本で一番熱くて温かい大会だ。
応援してくれる人や、スタッフの熱が違う。
過酷なコースに挑むランナーを、
これ以上ないくらい後押しして、送り出してくれる。
これまで感じた事の無い、自分の中に何かが満たされた感覚になった。
緊張や、怖さは一切無い。
朝7:00
十数分の間にエールを得て、富士吉田市役所をスタートした。