「15本目の10本目!」と思え
下から見てるのに、上から見下ろしているように錯覚する階段。
春からコツコツ登り続け、このクソ暑い夏にも毎週通い詰めてきた。
最初は2分間隔で回していたインターバルも、1分50秒が当たり前になり、
最近では1本ごとのタイムも少しづつ速くなってきている。
しかし、何度やってもこの階段はキツイ。
10本やるのが精一杯。
これまで経験してきたことの「キツイ」ランキングの断トツトップ。
肉体的にも精神的にも目一杯追いつめられる。
5本終わりまでは、すんなり行く。
6本目から雲行きが怪しくなる。
7本目で山場が訪れる。
8本目は山場が高原だったことに気付く。
9本目で更に上の山場に差し掛かる。
問題は10本目。
呼吸は精一杯で、息をしてもしても酸素が足りずに体が動かなくなる。
自分の体の重さを呪いたくなる。
絶対に止まらないと心に決めて、リズムを崩さずに体を動かし続ける。
リズムさえ崩さなければ、タイムは落ちない。
それでも、どうしようもなく苦しい日って時々ある。
集中力とか、精神面でも耐えられない、体のコンディションが目一杯の日。
体を進めたくても、思い通りに足が出なくなる日。
そんな日の10本目は、ギリギリの勝負。
この間も、もうヤバい!っていう日があった。
ランニングウォッチのタイムが残り5秒でスタートになる頃、
僕の頭に急に降って来た言葉があった。
「15本目の10本目と思え!!」
10本のうちの10本目と思うからいけないのだ。
15本のうちの10本と思えば、そこは通過点となる。
そう思った途端、体が急に軽くなり、止まることなく最後まで登ることが出来た。
11本目は出来なかったけれど。
10本目だからキツイって、どこかで思い込んでいた。
15本のうちの10本と思っただけで、まだ潰れる所じゃないと思うようになる。
自分がいかに単純か、笑えてきた。
自分の思い込みが、出来る出来ないを決めている。
思い込みで、見える世界も変わってくる。
当たり前だと思っている思い込み程、覆すと世界が変わる。
固定観念、既成概念をぶっ壊せ!!!
色んな「自分」を疑って掛かろう。