身体機能と栄養素のウソ
新聞折込やTV、ラジオCMなどで健康食品を宣伝するものを目にすることがある。
薬事法スレスレというか、むしろアウトなんじゃないか?
と思えるものもあるけれど、人の興味を惹くその攻める姿勢だけは見習うべきものがある。
大企業ですらそうした広報に注力しているのだから、我々個人の事業者はなおさら広報には力を入れていくべきなのだ。
売り手側に熱が無いのに、どうしてその熱が買い手に伝わるだろうか。
健康関連のTV番組や、サプリのCMを見ると、
飲めば筋力が付くとか、飲めば若々しく居られるように編集するのを、よく見る。
「○○を食べていることで足腰が丈夫」
「筋力アップに効果的」みたいな
残念ながら、飲むだけで筋量が増える物質はこの世に存在しない。
ドーピングで使われるヒト成長ホルモン(ステロイド剤)でさえ、極限の更に果てまで負荷を掛けるような筋肉を破壊するトレーニングをした上で注射しないと、筋肥大が起こらない。
経口でのステロイド剤による筋肥大の効果は、確認されていないのが現状だ。
食べ物やサプリ自体は悪いモノではない。
ただし、おおよそ害のないただの食べ物に過ぎないのだ。
効果を期待しているのなら、身体活動の量と質をプラスすることだ。
歩きもしないで足腰が丈夫になるのなら、赤ちゃんにハイハイなんて要らない。
歩きもしないでじっとしていて筋肉や関節が元気になるなんて、SFの世界でも無い。
習慣的に身体活動量が少ない場合は、様々な運動機能低下が全身に進行する。
ほとんどの場合、そのことに気が付かないか、自分だけは大丈夫と思っているのだ。
3日もじっとしていれば、階段の上り下りもキツくなるのがカラダの性質だ。
何でも良い。
汗をかいて、息を上げよう。
筋肉に悲鳴を上げさせよう。
疲れ果てて眠ろう。
そうした1コマを日々に取り込むだけで、カラダはグッと元気になる。
生きることは、一生涯サバイバルなのだ。
昔から人々が、来世では極楽浄土に行くことを望んだ裏返しには、
生きている限りはのんびり健やかなんてことは、あり得ないということが示されている。
筋肉の存在意義は、カラダを支えること、カラダを動かすこと、熱を生み出すこと。
筋肉の存在価値を満たしてあげよう。
食べるだけじゃ、ウ○コになって出るか、脂肪になるだけ。
ではまた。