富士見バーティカルkm2018
昨日は遠征で長野県の富士見高原まで出かけてきた。
場所は富士見パノラマスキーリゾート。
学生時代にスキーに来て以来の富士見パノラマ。
冬に来たゲレンデと夏のゲレンデは全く違ったイメージだった。
夏のゲレンデは、リフトを使ってMBT(マウンテンバイク)のコースを走る選手達と、
トレッキング、ハイキングの人で賑わっていた。
年中お客さんを呼ぶ工夫がされていて、感心した。
さて、富士見高原まで来たのには訳がある。
バーティカルkmのレースに参加するためだ。
バーティカルkmとは、「垂直で1000m登る」という条件が備わったコースで行われるレース。
距離はおおよそ5kmで行われる。
その定義については色々規定があってめんどくさいので、
とりあず1000mは登る!と覚えて欲しい。
コースは富士見パノラマスキーリゾートのゲレンデを、
入笠山山頂(1955m)まで直登する、6.4km。
久々にゲレンデに降り立って、そのコースを見渡した時、ゾッとした。
振り返れば崖のような急傾斜。
上級者向けコースを直登していく。
コースディレクターの世界のヤマケン(山本健一)さんは「これは下らないレースです!笑」
と言って競技説明で場を盛り上げていたけれど、
登っていて怖くなる傾斜に出くわしたのは初めてだった。
右の太いゲレンデを登っていく。
真ん中の電柱の上の方、若干白く見えるのがゴールの山頂。
スタート前に参加者リストを見ると、
長野の鉄人宮川さん(富士登山競走入賞の常連、今年は5位)、
シューズメーカー「inov-8」の契約アスリートの大沢さん(同じく富士登山競走では有名な選手)、
加藤さん(山梨県の超有名人、富士登山競走でも実績がある。トレイルランテストセンターを経営)、
それから昨年高校生で総合優勝を果たした、今年大学1年生やら、招待選手が他数名。
ヤマケンさんも参戦!
なんと―!超豪華なメンツ!!!
静岡の港町からふらっと来た無名なボクには、皆さん眩し過ぎる!!
しかし、せっかく来たからには、一矢報いてやろうと、
いざ富士見バーティカルのスタート!!
初っ端から壁のように立ちはだかるゲレンデ。
スタート直後から先頭を引くことになり、
後ろについて来るのは宮川さん、大沢さんと、去年優勝の大学生。
このペースが結構ハイペースだったようで、後続の振り落としになった。
元々大会のコースレコードを狙っていたので、
ぶっ込んで押せるペースで行ける所まで行くプランだった。
2km過ぎで宮川さんに追いつかれ、後ろからは大沢さんに追いかけられる展開。
その後、宮川さんとの差が、詰めても詰めても、詰まり切らない。
距離にして数十メートル。
目の前に居るのに、追いつかずそのまま入笠山の山頂を2位でゴール。
タイムは49分22秒。
大沢さんも3位で、序盤から全く離れてくれなかった。
写真を撮ってこれなかったけれど、山頂は八ヶ岳や遠くは富士山まで見える絶景だった。
こちらは帰りのゴンドラから。
やっぱりここを下から登ってきたって思うと、おかしい(笑)
宮川さんとの詰めても詰めても詰まらない差、
それから大沢さんとの振り切れない差に、それぞれの選手のただならぬ強さを感じた。
やはり、全国トップクラスは違う。
地方のロードレースや駅伝では経験することのできない、異次元の強さだった。
そんな選手達と、肺が充血して口の中に血の味がするほど苦しいコースで、
夏とは思えない程涼しく、快適な気候の中で、
全力で戦えて、本当に楽しい時間を過ごすことが出来た。
苦し過ぎるのに、最高に面白いレースだった。
ちなみに、1、2、3位までの3人が大会新記録のタイム。
僕の初っ端からぶっ込む作戦が効いたようで、コースレコードを一気に4分程更新する結果だった。
しかし、トップは宮川さんに獲られてしまったので、
来年またコースレコードと優勝を狙いに行きたいと思う。
富士登山競走、富士登山駅伝、昨日のバーティカルを走って、今後の方向性が定まった。
「登りに特化した体作りをする」
もうトラックやロードは、登りの練習の一環でいい。
平地は捨てるくらいのつもりだ。
登りで結果を出すためだけに、トレーニングしてみようと思う。
強みに集中して、一点突破。
程々の結果しか出ない競技生活を何年も続けても、程々にしかならない。
地方の大会で勝っても、狭い世界で収まってしまう。
そんな平地のレースに何年も出続けても、成長しない。
僕は今まで地方でしか走って来なかった。
だから富士見バーティカルで準優勝して、表彰台に上がっても、
「あんた誰?」みたいな印象を持った方も多かったはずだ。
そろそろ、そんなローカルな、水面下のような、インディーズのような域から脱したい。
ついてきた家族も富士見パノラマスキーリゾートを満喫したようで、
大収穫の遅めのお盆休みだった。
また行くよ!富士見バーティカル!
長々と有難うございました。