静と動の使い分け
可動域は広げればいいわけじゃない。
ストレッチに関しては、
沢山やる程に故障や怪我の予防になる、とは言えない。
また、体が柔らかい程にパフォーマンスは上がる、とも言えない。
じゃあストレッチは意味が無いのか?
そんなことはない。
コンディションを保つ上で、非常に重要なアプローチになる。
体が硬い=悪
柔らかい=善
筋肉が硬い=悪
筋肉を伸ばす=善
みたいな一元論ではない。
ストレッチの解説をすると、
筋肉の性質、
神経の性質、
血管、
呼吸、
関節の構造、
関節の機能など、様々な分野と関わりが出てくる。
相当広い視野でのアプローチになる。
何のためにそうするのか。
なぜそうするのか。
何がしたいのか。
その方向性を理解し、
明確な意図をもって行わないと、
全くもって意味をなさない。
ストレッチの機能学とは、人体の機能学とも言える。
細かくみていくと、とんでもなく広がってしまう。
実践の場では、シンプルに集約したい。
それが、静なのか動なのかということ。
静的なストレッチは、筋肉をロックし、腱をロックし、靭帯や関節に効かせる。
動的なストレッチは、血液循環を促し、筋温を上げ、滑らかで大きな動きを作る。
もっとざっくり言うと、静的ストレッチは、関節。
動的ストレッチは、筋肉。
静的ストレッチはケア。
動的ストレッチは準備運動。
その時々のコンディションの中で、
適度なテンションの掛け方、
動きの広げ方は変わる。
だから、伸ばせばいいってわけじゃないし、
硬いからダメじゃない。
柔らかくするほど怪我や故障が減るわけでも、
パフォーマンスが上がるわけじゃない。
関節の動きを円滑に保ち、
運動に最適な状態の下ごしらえをする。
結果的に、体が柔らかくなる。
ということは起こるが、柔らかい事が結果には結びつかない。
怪我をしないためには、
関節の強度が重要で、強度が増すほどに硬くなるという性質がある。
怪我が多い、故障が多いのは、柔らかいのが原因ということもある。
何にしても、一番重要なのは、背骨がフレキシブルかどうか。
活動量の少ない現代人は、誰でも取り組むべきものだと考えている。