安定性と運動性
昨日の駅伝では、両脚に2カ所ずつテーピングをして走った。
見た目はごくごくシンプルに、けれどもかなり「意図を持たせた」テーピングだった。
このブログに来て下さる方の中にはご存知の方もいるが、
僕の右膝は外科的手術歴がある手負いの膝である。
今は右膝は何ら痛みも無く動くし、左の膝も無傷ではある。
ただ、もうこれ以上の手負いは避けたいのと、レースの後にダメージを減らすためにテーピングを貼った。
予防のための策だ。
レースでは結構なスピードが出るし、路面は凍結していたり凸凹があったり、
小石や砂利で滑る所もある。
コーナーでそういった条件が重なると、転倒や捻挫を起こすことも少なくない。
また、多くの選手が走ると接触による転倒もある。
そういった場合に、テーピングで関節を安定させておくことは怪我の予防に有効だ。
では、どのようにすればいいのか。
これは書くには結構面倒くさいので省略する。
ポイントとしては「筋肉の骨への付着部と腱移行部にテープをかける」ことだ。
カラダの構造を把握して、テープを張る時に筋肉の走行が見えていないといけない。
関節の可動を制限することなく安定させるというのは、
実は相容れない要素である。
その相容れないものを、バランスを取って実現するのが整体屋のできることだ。
テーピングを貼ることで動きの邪魔をするというのは結構ある話だ。
動かせないようにするテーピングもあるが、邪魔は競技においては大きなマイナスになる。
そういうことを考えたのは、昨日もテーピングを貼った選手を何人も見たからだ。
1本のテープを貼るときには、その1本に意図を持たせないとテープは力を発揮してくれない。
貼り出しはそこでいいのか、張力はどうするか、止める場所はどこで止めるか。
どの筋肉の、どの組織に掛かっていて、どう動く関節にどのような作用をさせたいのか。
テープの材質、粘着力、肌の状態、体毛の処理、そういうことも考えなくては、マイナスになるのがテーピングだ。
貼ればいいと思っている選手は多い。
形を真似すればいいと思っている選手も多い。
結果、全然効いていないどころかマイナス、というのをよく見る。
一生懸命貼っているので、面と向かってそんなことは言えないけれども。
テーピングはシンプルに、かつ効果的に貼りたい。
今日もバリバリいきましょう!