体が熱を帯びる

トラックの記録会も終わったので、
走りの基礎作りから登りの体作りに切り替えている。
有酸素の土台は維持しながら、
傾斜に適応する筋力を伸ばし、
乳酸を酸化させてエネルギーに変える。
ロングランと、
筋トレと、
階段インターバルと、
ファルトレク。
最終段階でタイムトライアル。
自分の体重を上に上に運ぶ、コントロールを鍛える。
登りの体作りでしんどいことのひとつ。
「体が灼ける」
全身の筋肉やら腱やら、関節が炎症を起こしだす。
炙られているような、熱感。
独特な痛みが体を締め付ける。
浮腫んでは鎮まり、また浮腫んでは鎮まりの、繰り返し。
そうして、体を叩いて叩いて、叩き潰して脚を作る。
そんな身体の作り方は、実は最善では無いのではないか。
もっとスマートにやるべきなんじゃないか。
なんてことは、いつも考えていて、改善の余地は常に探っている。
体を叩いて潰しながら作っていくのには、理由がある。
富士登山駅伝の5区では、
標高2000mから3000mの低酸素下で、
壁のような傾斜を登らなければならない。
足場は砂地。
そこでは、生理学的な限界を超えた所で、勝負が決まる。
「理論上」という言葉が通用しない。
「心肺機能」という概念の虚しさがそこにある。
何よりも、肉体的にも、
精神的にも追いつめられて、逃げたくなる。
逃げたらもっと苦しい。
どこにも逃げられない苦しさ。
そんな逃れられない苦しさが怖い。
だから、準備をする。
ビビればビビる程いい。
やればやる程、畏れるようになる。
自信なんて要らない。
臆病に臆病を重ねる方が、100倍強くなれる。
パンパンに腫れた脚が、明日は少しでも治まっていることを祈って、
おやすみ!!