でっかいキャパには意味がある
施術が終わればBGMはラジオに切り替える。
なんとなく聞いているような、聞いていないような感覚で音を流し、まとめなければいけないことをしたり、次の仕事の準備をする。
今日ふと耳にとまったのが、ラジオのクイズコーナー。
「車のスピードメーターはなぜ100km/h以上あるのか」というクイズだった。
高速道路の制限速度は100kmなのに、僕のコンパクトカーでも180kmまである。
原付だって30kmが制限速度なのに、倍の60kmまである。
知っている人からすれば、何でもない問題だけれど、あまり深く考えたことが無いので答えに迷った。
答えは確か「100km以上出る性能があるから」だった。
なんじゃそりゃ!!!!
んなもん知ってるわい!!!
と一瞬思ったが、続く理由を聞いて納得した。
現在、日本の高速道路で最も傾斜のきつい場所は6%の斜度がある。
そこで仮に体重80kgの人が運転した場合、平地で180kmに相当する分の出力を出さないと100km/hまでスピードを維持することができないらしい。
これが路面が状態が悪かったり、荷物を積んでいたり、4人・5人と人が乗っていればそれだけで300kg~500kg位まで、車体にかかる重さも変わる。
もし100kmまでしか出ない性能だと、人数乗せて斜度があれば100kmなんて到底出るはずはない。
渋滞を起こして迷惑になり、事故を引き起こすことは目に見えている。
それぞれの車の出力は、最大限乗せる人数や荷物を加味し、傾斜を加えても100kmを維持することができるように設計してあるらしいのだ。
「条件が変わっても、同じ速度を出すために出力を大きくしている」という理由にえらく納得した。
ただし、大きな排気量を「加速がいい」とか「飛ばせる」という捉え方は、お子ちゃま過ぎる。
人の体も似たような所があって、いつも同じように動くには余裕がなければいけない。
多少の無理も受け止める容量があると、日頃の生活が楽になる。
1年通せば、季節によって気温も変わる、行事や出来事も色々ある、流行りの風邪もある中で、平穏な毎日を手に入れるには、自分にオーバーな負荷を与えてそれに慣れる時間も必要不可欠だ。
不摂生や、気を抜いていると、自分のキャパはいつの間にか小さくなっている。
キャパを大きくするよりも、小さくするのは簡単で、早い。
悲しいかな、いつかの自分は、もういつかの自分ではないのである。
年齢と共に体は変化しても、キャパを小さくしない習慣を持つことで、かなりのものは維持が可能だ。
体の全ての責任は、自分にある。
整体受けていれば、いつまでも元気で健康で居られますよーなんて、うさん臭いことは言わない。
言いたくない。
整体を受ける人が、どう居たいのか、どう在りたいのかという想いが一番大事。
自分が自分で居られるようにという想いの中で、整体は歯車の一つとして機能する。
いわば、身だしなみを気にして、手入れすることなのだ。
ラジオを聴いて、耳に残ったコーナーから、そんなことを考えてみた。
では、また明日!