膝に溜まっている水の役割
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整体屋がお医者さんにどうこう言いたいのではなく、
ある事例としてここに書き記します。
ついさっき、昨日整形外科で膝の水を抜いてきたという方に、たまたま会いました。
水を抜いた処置が、明らかに適切ではなかったのは、
歩き方はもちろん、脚を見れば誰にでも分かるくらいのものでした。
左脚の膝から下はパンパンに腫れ上がり、かなりの浮腫みがある状態。
膝の曲げ伸ばしにも相当な制限があります。
関節を包む関節包の膜に穴が開けられ、
関節の中を満たしている滑液が漏れ出しているために、
パンパンに浮腫んでいるのがわかりました。
漏れ出している滑液の量は、相当なものです。
腫れ方を見ると、膝の水を抜くと称して穿刺した際にも、
関節の内部を傷つけた可能性があることが考えられました。
でないと、あんなに滑液が増えることなんてありません。
水を抜くために、関節を包む袋に開けた穴が塞がっていないというのも、
とんでもない話です。
膝の水(滑液)が増えるのは、関節の内部を修復するためや、
関節の圧力を高めて安定性を高めようとする反応です。
膝に水が溜まって痛いのは、膨張圧で皮膚が引っ張られて痛いのです。
滑液は修復のために関節に集まってきているので、抜くと膝は治る余地を失います。
膝関節の軟骨や、クッションの役目をする半月板は、血管が通っていないので、
滑液から栄養を吸収するしか新陳代謝が起こりません。
また、膝の靭帯も血管が少ないので、損傷すると自然治癒が難しい組織のひとつです。
つまり、血管の通っていない部分にとっては、滑液は命の水なわけです。
命の水は、修復の必要性に応じて体中から集まります。
集まった滑液が、修復が必要な場所に浸み込む程に、傷は癒えていきます。
まず滑液を抜かれ、更に関節が傷つけられ、穴を開けられたために、
本来密閉されている滑液がダダ漏れしている状態。
今できるのは、穴が塞がるのを待つことくらいでした。
僕だって、今年の春にバランスを崩して膝を損傷し、手術をしました。
全身麻酔での手術なので、結構リスキーでした。
損傷してめくれた軟骨を電気メスで切除して、
そこをもう一度再生させるために何をしたか。
わざと関節を水でパンパンに満たす処置をしてもらったのです。
高速回転するドリルで骨に穴を開けていき、骨の深部にある骨髄まで貫通させると、
骨髄液が膝関節の中に漏れ出てきます。
僕は2カ所損傷したので、2カ所穴を開けました。
骨髄液は滑液と混ざり合って強力な修復材として働き、軟骨の再生をしてくれました。
当然軟骨が再生される程、溜まった滑液は減っていきました。
その処置が極めて正しかったのは、
僕が数カ月で完全なる競技復帰をしたことが実証しています。
ここまで書いて言いたいのは、
膝の水は必要だからそこに溜まっているということと、
膝の水を抜こうとする整形外科は、20年前の医療水準で止まっているということです。
整体屋なんて到底医師に意見するような地位も能力もありませんが、
僕は手術経験者だからこういったことが言えるわけです。
膝の手術をしてくれた先生が皮肉たっぷりに言っていました。
「レントゲンやMRIを撮っても、診る力の無い奴には何も見えない」
「整形外科医はデタラメな奴らばっかりだから、気をつけてね」
「君はここへ来てラッキーだったね」
え!?
そんなにハッキリ言っちゃう?
僕の主治医は、お医者さんぽくなかったなぁ…笑
膝のお水は抜いちゃ駄目って、膝の権威の先生も言っておりました。
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