息の長いRUN LIFEのために
走るという行為は、結構なエネルギーを消費する。
短距離にしても、中長距離、マラソンにしても、そのエネルギー代謝はかなり活発になる。
とりわけ、中長距離、マラソンは運動時間との兼ね合いもあり、エネルギーの消費量が多い。
そのエネルギー代謝の面から、自分も習慣的に走っていることや、年間でもかなりのランナーを診ていて気が付いたことがある。
ある程度のキャリアをもつと、簡略化した表現にするならば「ガタが来る」ランナーが増える。
練習量が増えると故障する、スピードを上げると故障をする、常に故障を付き合っている。
これは、十数年のキャリアを持っているランナーに限らず、高校生や大学生にも多い。
故障しやすい、故障中、故障予備軍の特徴がある。
筋肉と関節が極端に硬化していることだ。
正確には、筋肉が硬化して関節が締まり、関節の動きが減少することで再び硬化が進む。
一見すると、細身でスラリとした体つきに見える。
骨太で重量級のレスラーのようなランナーと言われる僕には、羨ましくも思える。
しかし、そんなほっそりとしたランナーの選手生命は、長くない。
仮に走り続けているとしても、ベストなコンディションには程遠く、騙し騙しのローギアでしか走ることしか、できなくなっていく。
硬化した筋肉は、どんなにストレッチしても柔軟性や弾力を取り戻すことは無い。
関節も滑らかな可動に戻らない。
運動で体熱産生を増やした時だけ、一時的に組織が柔らかくなる範囲に留まってしまう。
筋肉の質が変性してしまっているので、全身の関節の動きが制限されていく。
動きの幅の狭くなった関節はアソビが無くなり、動きの偏りから痛みを発する。
この最も根本的な原因は、食生活にある。
摂っている摂取カロリーの内訳、質に問題がある。
走るということを通して、筋肉が削られてしまい、弾力の無い硬い筋肉に変性していく。
筋張っていない、扁平なビーフジャーキーのような筋肉になる。
相対的に、からだは軽くなるので、競技のタイムはある程度の所までは行く。
その後、筋肉の出力が落ちて頭打ちになり、故障が増えていく。
この状態で、一体どれだけのランナーが苦しんでいるだろうか。
女子選手なら、摂食障害も起こしかねない。
筋肉が変性してしまっているので、問題の解決には時間がかかる。
突破口は、「高脂肪・高タンパク・低糖質」の食生活で筋肉を守ることだ。
高脂肪と高タンパクで、筋肉を削らせない。
これを数カ月続けるだけで、弾力のある柔軟な筋肉に変わり、関節も柔らかくなる。
筋出力も上がってくる。
故障の少ない、息の長いランナーになる。
糖質に依存したエネルギー代謝は、体内の糖の貯蔵量が減ると、筋肉を削ってエネルギーを捻出してしまう。これを続けていると、高校生や大学生でも筋肉の頭打ちが発生する。
ただし、糖は運動するためには、絶対に必要なエネルギーだ。
糖が無くなれば、心臓すら止まる危険がある。
糖を悪者にするのはいけない。
糖質は制限するのではなく、糖質中心にカロリーを得ることから、脂質中心にカロリーを得る様に、配分を変えるのだ。
「低脂肪、高タンパク、高糖質」では選手生命は短い。
「低脂肪、高タンパク、低糖質」では全く持ってパフォーマンスは上がらない。
「高脂肪、高タンパク、低糖質」だけが、筋肉を守る。
筋肉が守られれば、関節を守ることができる。
脂肪なんて、太るのではないかという心配もあるかもしれない。
よく考えてみて欲しい。
脂肪を沢山摂って、太ってしまった人を見たことがあるだろうか?
ベルトの上に乗る程のお腹を持った人が、積極的に脂肪を摂っただろうか?
脂なんて、ほとんど摂っていないはずだ。
太るのと痩せない理由は、清涼飲料水の精糖と、加工食品の精糖の摂り過ぎ。
加工されていない、食材に形があって含まれている糖質なら、摂り過ぎることもない。
糖質は、材料の形のあるものを食べること。
小難しい理論や根拠は省略しながらも、長くなってしまった。
高校や大学で終わってしまうランナーや、長く走っていても認識が間違っているせいでからだを壊しているランナーがあまりに多く、一石を投じたくなった。
食事については、ランナーに限らず、全ての人に言えることを書かせてもらった。
今日はこの辺で。
20年後、ここに書いたことがスポーツ界だけでなく、世の中の「普通」になりますように。
Comment
為になります。ありがとうございます。間違えたテレビやメディアに惑わされてはいけませんね。これからももっと発信してください
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