3分縮めてやりたい
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あっという間に冬は去り、もう完全に春だと思っている。
合格発表と卒業シーズンなのだ。
期待と不安の入り混じる3月下旬。
なんとも言えない、胸の辺りがグラグラして締め付けられるような感じ。
懐かしい!
収まる気配の無い強風が、連日吹き荒れている。
富士山を見ると、雪が風で飛ばされている様子も見える。
そろそろ、準備しなきゃ。
なんて、徐々にエンジンかけて行こうと思っていた、富士登山駅伝の準備。
登山駅伝には、僕を拾って育ててくれた「見次クラブ」で10回出た。
登山駅伝での見次クラブの位置づけは、「清水ランニングクラブ」の養成部隊。
清水ランニングクラブは、登山駅伝の時だけ結成されるチーム。
勝ちに行くメンバーを招集して、区間配置する。
これまで10年、養成部隊で走ってきたけれど、
今年は清水ランニングクラブで出場する事がほぼ確定となった。
随分と下積みが長かった(笑)
その間に、1区(復路11区)以外全部の区間を走った。
不動の王者「トヨタスポーツマンクラブ」の牙城を崩す。
勝てばクラブチーム日本一だ。
清水ランニングクラブは、これまで30回以上出場して、2位と3位は何度か獲っている。
優勝だけ無い。
総監督には、ついに優勝をプレゼントする事ができなかった。
「君は強くなったな」と言って、1軍の清水ランニングクラブで使って欲しかった。
総監督が元気な時に、僕にはその実力が無かった。
僕ができるのは、5区(復路7区)しかない。
4.24kmで1017mを登り、山頂で折り返したタスキを受けて、
3.66kmで1017mを一気に下る。
傾斜といい、足場の悪さといい、酸素の薄さといい、
この区間をクリアできるかどうかで、順位が左右される。
優勝するには、最低でも5区の区間賞。
トヨタとの差を詰めるか、逆転して貯金を稼がなければならない。
下りの7区でも、同様だ。
今年の清水ランニングクラブのメンバーは、日本一を獲れる。
清水ランニングクラブで走れるのは嬉しい。
でも、あの魔の区間で、昨年や一昨年のように走れるかどうか、わからない。
これまでの歩みを自慢のように書いてきたが、自分の実力の無さは自分が一番分かっている。
このままじゃ、日本一にはなれない。
あの特殊環境で区間賞獲るには、今までの体作りでは駄目だ。
優勝するために、昨年の自分のタイムから3分は縮めたい。
脚筋力、スピード、フォーム、心肺機能、集中力、体重。
これまで踏み込めなかった領域に足を入れないと、通用しないだろう。
着地点は決まった。
体に眠っている能力を、どれだけ引き出す事ができるか。
やるしかない。