膝の奥は深い

昨年12月から、継続的に施術をしている方がいる。
ベテラン女性ランナーで、走力もしっかりしている。
昨年の9月に膝を傷めてから、全く走れなくなってしまった。
整形外科での診断は、内側半月板損傷。
オペはせずに、保存のまま、何とかならないかということだった。
これまで通り、フルマラソンを続けたいけど、
どうしていいか分からないという事で、相談を受けたのがスタートだった。
傷めてから僕の所へ来るまでの間、
整形外科では、膝の水を抜いてヒアルロン酸注射をする、
という処置を何度も受けていたらしい。
ヒアルロン酸注射よりも、膝の中の水の方が、
受傷部位を修復する力があるのに…
残念ながら、ほとんどの整形外科は注射場と化している。
いい先生を見つけるのはなかなか難しい世の中だ。
また走れるようになるまでの道のりは、コツコツやるしかない。
・施術で癒着を取る事と、関節の動きを整えること
・体の動きを覚え直すこと
・関節を強化すること
その過程では、何度も膝の炎症を起こす→治めるというプロセスも要る。
まずは歩く事から始め、段々と走りに移行していった。
3km走っては痛みが出て、それが治まってからは5km走っても痛まなくなった。
10km走っても痛まなくなった時、相談のメッセージが来た。
ハーフマラソンの大会に出てみたいと言うのだ。
棄権するつもりでいたけれど、この状態なら走れる気がする。
どうでしょうね?
といった感じの内容だった。
関節の強度は上がってきていたので、僕はGOサインを出した。
トレーニングの中断期間が長かったので、
練習不足から脚力を使い果たしたり、レース後に動けなくなるのは覚悟の上。
それと痛めた膝は、問題が違う。
筋疲労と関節のコンデションは分けて考える。
結果、きっちりハーフマラソンを走り切った。
途中もゴール後も、膝の痛みは無い。
ただし、ゴール直後は脚が固まったそうだ(笑)
おススメしたシューズも、早速買って履いてくれていた。
流行のナイキでも、アシックスでも、アディダスでもない、隠れた名作。
いずれはそのシューズも記事にしたい。
名古屋ウィメンズマラソンを走りたい!
という希望からスタートした、膝のリモデリング。
途中「今シーズンはもう諦めてます」なんて言ってた開き直りが、
心の余裕になって、フルマラソンまで見えてきた。
その後、全く同じ診断を受けた旦那さんが相談に来た。
右膝内側半月板損傷。
160kmのトレイルレースに出て完走したい!!のだそう。
課題は山積みです。
患者さんに日々育ててもらっている。
毎日が千本ノック。
自分も大怪我した右膝が、こんなに役に立つなんてね。
膝は奥が深い。