畑と神経ネットワークと睡眠の関係
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体の仕組み、働きについて、いつも考えを巡らせている。
隅のコンロで、弱火でコトコトとずーっと煮込んでる感じ。
煮込んでるってことは、芯があったり、味が浸みてなかったり、
まだどこか、調理の過程である案件ということでもある。
そういう調理中のものは、ある時突然バチーン!
とパズルのピースがハマるように、一気に解凍が進むことがある。
え?
料理がパズルになったり、煮込んでるものは凍ってたのかって?
うるせー!!
例えだ!!
例え!!
そういう感覚的な話が理解できない方はお帰り下さい。
で、何に気が付いたかって言うと、睡眠とパフォーマンスの話。
僕は前々から、寝れるなら毎日8時間寝ろ!
と言ってきた。
実験で1週間毎日8時間寝て、
最高のパフォーマンスを引き出すことにも成功した。
睡眠不足で調子が上がらないのは、
言うまでもなく、多くの人があらゆる場面で日常的に経験しているだろう。
ランニングにおいては、
体が動かない、
粘れない、
注意力が散漫になる、
やめたくなる。
なんてことが起こる。
僕はよく経験している。
皆さんも仕事や日常で似たようなことはないだろうか。
ところが、前の日によく眠っておくと、
以前は出来なかったことが、
割と簡単に出来るようになることが多い。
その理由は、脳の疲労、体の疲労や、細胞の修復の関係だと考えてきた。
フレッシュな状態を作れば、
できたはずのことが、そのままできるようになる。
でも、それだと浅い。
そんな視点では体の本質には迫れない。
ここ最近の体の感覚と、これまでの経験を擦り合わせて、
「寝ている間に神経の網が筋肉に伸びていく」
ということに気が付いた。
それは、植物の根が地中に伸びていくようなイメージ。
根のような神経のネットワークが、筋肉という土の中に伸びていく。
繰り返し訓練を受けている程、神経の根がびっしりと筋肉に根付いている。
寝ている間に、起きているのは、そういうことなんじゃないか。
よく、脳は寝ている間に記憶を整理する、なんて言われている。
メカニズムは同じだと思う。
睡眠が十分であれば、その間にどんどん根は伸びていくし、
睡眠不足であれば、根の発達が不十分で活動することになる。
そこに、能力の差、伸び方の差があるのは当然のことだ。
勉強からスポーツ、仕事から遊びまで、
上達するのは、それをやっている時ではなく、
寝ている間!!
沢山練習したら、その刺激による反応が十分に反映されるように、
時間を置かなくてはならない。
神経発達の用語で「プラトー(台地、停滞するの意)」と、
「レミニッセンス」というものがある。
伸び悩んだ時(プラトー)に、一時トレーニングを中断すると、
できなかったものができるようになる現象を、レミニッセンスと呼ぶ。
中断している間に、神経ネットワークが張り巡らされているのではないか。
「土と内臓」の中で、植物は土壌微生物が分解した養分を吸い上げ、
同時に微生物が必要とする栄養を与える、と書いてあった。
植物が地中の栄養を直接吸っていると思っていたので、その記述は衝撃だった。
豊かな細菌叢があるほど根は深く、密に張り巡らされる。
筋肉は、土と同じだ。
植物と微生物の相互の作用は、体から脳へ情報を伝える上行性の神経回路(知覚)と、
脳から末梢に指令を伝える下行性の神経回路(運動)の仕組みにも似ている。
体が受けた刺激が脳に送られ、それに対して反応(運動)が起こる。
人の運動は延々とそのループ、サイクルで動いている。
眠っている間に、神経のネットワークが張り巡らされる。
裏を返せば、起きている間は、ほとんど人は成長できないということでもある。
おそらく、運動刺激を受けることと、
ネットワークの再構築は、同時に行うことができない。
そういう点は、通行止めにしないと道路工事が進められないという、
割とシンプルな理由なのではないか。
なお、一度張り巡らされた神経の網は、何年たっても失われる事が無い。
ブランクがあっても、
再開すると短期間で元の水準までパフォーマンスが戻る理由である。