故障しない身体作り

始めた頃はかなり緩やかな始まりだったが、
走るという事に取り組み始めてから、もう15年ぐらい経つ。
その間に、故障は一度も無く、負傷は1回。
故障とは、外傷を伴わない障害。
怪我とは、骨折、捻挫、脱臼、打撲、挫傷。
切ない痛みに見舞われた事も無くはない。
できるだけ、酷くなる前にかわしてきた。
体を動かすという事が、すり減らすようなイメージをもつ日本人は多い。
一方で、動かさないと使い物にならなくなるという事を、
体感や経験としてもっている人もいる。
人間の基本動作である、歩く→走るの繰り返しで体に支障が出るのは、
体の使い方に問題があるからだ。
こう使う、こう動く、というデザインに反した使い方をすると、
体に掛かるあらゆる物理的エネルギーは、組織を破壊する。
間違った使い方をすると、壊れる。
たったこれだけのシンプルな現象に、なかなか気が付けない。
気が付けないと、解釈が歪んでくる。
僕自身、故障はゼロと言えど、体の使い方は上手くない
ダメな所は相当ある。
現在進行形で、修正している最中である。
そんな僕でも、故障しなかったのは、
関節や腱を丈夫にするために、トレーニングの8割ぐらいの時間を割いているから。
負荷を受け止められるだけの、土台作りを大事にしてきた。
速くなる、強くなるためにどうするか、という事を追うと、
体に受け皿を作ることが、おろそかになる。
一足飛びで、上を上を目指しがちだ。
でも、次第に負荷が上がっていくと、筋腱、靱帯、軟骨が悲鳴を上げる。
そこに、間違った使い方の破壊的なベクトルが加われば、状況はさらに悪い。
慎重すぎるぐらい、段階的に。
焦ると越えられないものも、時間を掛けると体が受け入れてくれる。
筋力を上げる前に、スピードを上げる前に、まず関節を作る。
この視点が、どの指導者にも、トレーナーにも、セラピストにも欠けている。
ランニングと、関節を扱う整体は、相性がいい。