味と香りと形と大きさの違いに見る整体の原理
本屋さんでコーヒーの科学という本を見つけて、のんびりと読んでいる。
コーヒーは毎日飲むが、踏み込んだことはあまり知らない。
これまで重視してきたのは、味や香りくらいだった。
せっかく毎日飲むのだから、特性や影響やルーツ位は知っておいて損は無いどころか、
得だろうと思って読み進めている。
そのなかに、気になる一節があった。
それは、味や香りが全く異なる種類のコーヒー豆の成分の違いを分析してみると、
実はそれぞれにほとんど差が無いらしい。
味も香りも違うのだから、成分に差があるだろうと考えるのが普通である。
ところが成分は同じ、構成要素にも差が無いとなると、一体何が違うのかという事になる。
コーヒー豆の例を人間に置き換えるのはやや強引だが、これは人にも同じことが言える。
うちの長男と次男では、カラダを構成している物質にほぼ差は無い。
同様に、僕と大谷翔平を比較しても、構成物質には差は無い。
いくら大谷翔平が160km台のストレートを連発しても、
腕がターミネーターのように超合金でできているわけでもないし、
特別な材料で筋肉が出来ているということもあり得ない。
では、コーヒーにしても、僕と大谷翔平にしても、その差はどこからくるのだろうか。
コーヒーの科学によると、大きさや形の違いによるらしい。
コーヒー豆を大きさや形で分類していくと、味に違いがでるらしい。
これを人のカラダに置き換えてみると、妙に納得ができる。
同世代で同性の人を比較すると、
年齢が上がるにつれて個々の健康状態や体力水準の差が広がるようなる。
つまり、元気な人と、そうでない人の差がハッキリしてくる。
カラダの形や大きさの違いが、機能の差になって表面化するのだと考えられる。
形の違いは機能の違いなんていうのは、当たり前すぎて忘れられている。
形があって機能するわけで、形が崩れれば機能しなくなるのは当然である。
よりフォーカスすると形の崩れとは、
姿勢の崩れ、カラダの歪み、関節の可動制限により起こる。
もっと掘り下げていけば、運動感覚、身体感覚、生活習慣にまで話が広がる。
整体の技術の稽古でも、同じように教えられる。
「形があって機能があり、機能のためには形が要る。型が崩れればその技は効果が無い」
僕は耳にタコが出来るくらいよく言われている。
成分や材料に差が無くても、形や大きさを変えることで味や香りが変わり、
同じことがカラダにも言える。
これは地球における、原理や法則のひとつ。
整体は、形を整えるアプローチである。
形が整えば、機能が整う。
整体は危ないとか、根拠が無いとか、デタラメとか言われることもあるけれど、
掘り起こしてみれば、すごくシンプルな原理で成り立っている。
コーヒーの本に、整体の原理が載っていたというお話しでした。
そうえいば、美味しい大根を選ぶには「大根の背骨」が整っているのを選べ!
って無人販売で会ったおばちゃんに去年教わった。
コーヒー豆の味の違いも大根の味の違いも、根っこは同じだった。