ドーピングはまだ可愛い
WADA(世界アンチドーピング機構)では、
禁止薬物のリストと共に、ドーピング検査の実施もしている。
これは相当厳しいもので、
知らない奴と連れションしなきゃいけなかったり、
献血ばりに血液採られたり、
いつどこで何してるとか、逐一連絡しなきゃみたいな、
ゴリゴリの束縛ワールドが待っている。
検査の結果、陽性反応が出て、
処分が下ると暫くの間の出場停止か、重い場合は資格剥奪となる。
事実上の永久追放。
純粋な挑戦であると共に、プロスポーツという枠組みの中では、
スポーツもビジネスである。
だから、ドーピングは叩かれるし、処分も重い。
ただ、僕はドーピングそのものを「ズルい」とは思っていない。
誰かに薬物を飲まされる事もあれば、意図せずに飲んでしまう事もある。
自ら使っていた場合でも、ほぼ全ての禁止薬物は、
実は体内に入っただけでは生理的な変化を起こす事はできない。
全身が壊れる、ギリギリの負荷をかけたタイミング。
そこで体内に取り込む事で、リカバリーやリモデリングに、生理学的な変化が生じる。
今まで踏み込めなかった領域、壁を少しずつ押し上げられるようになり、
更に破壊的な負荷を体にかけていく事で、筋骨格や血液循環の能力が伸びていく。
楽して勝とうとか、トレーニングしないで強くなるとか、そういうものじゃない。
薬物で身体能力を伸ばすには、誰よりも負荷を掛けて、誰よりも苦しまなくてはならない。
さらに、勝つためには技術、判断力、精神力も絡んでくる。
薬物で能力を伸ばす事ができるのは実はそれだけで、
世界トップの身体能力と、メンタリティーを持っている証拠なのだ。
だから、僕はズルいと思わない。
むしろ、そこまで追い込めることを尊敬する。
でも、大会でスタートラインに立たないで、先に走ってるとか、
コースをショートカットするとか、
そういう事をするランナーがいる事を聞いて、耳を疑った。
それも常習犯で、
SNSに「勝ちました」とか何位になりましたとか、投稿している。
いい大人がね。
僕よりも上の年代のカテゴリーの人がね。
それも、静岡県の人でね。
僕も何年か前、トレイルレースでコースをショートカットして、失格になった。
ゴールした後も、ショートカットに気が付かなかった。
僕と同じようにコースミスして、失格になった人が何人かいた。
(以後分岐点に赤いコーンが置かれるようになった)
トレイルレースでは、そう言う事は多々ある。
でも、計算してショートカットしたり、
スタートラインにつかずに、
隠れていて途中からレースに紛れ込んできたりするなんて、驚くしかない。
そういえば、似たような事して、詐欺罪で立件されたニュースを観たことがあるぞ。
まぁまぁ、余罪は過去何年もあって、山のようにある。
ドーピングなんて可愛いもの。
今後、ランニング会から永久追放か、
少なくともRunnetのアカウント停止処分にしないと。
こんな事、自分のブログに書くと思わなかったな。
普段は毒もサラッと吐いているので、重い内容に体力奪われた。