ゆっくり長くのコンディション作り
人間も生き物なので、季節と同じように体調には波がある。
スポーツでの好不調の波は、技術的習得の不完全さよりも、
疲労の強さや質といった体調に左右されることの方が圧倒的に多い。
心身ともにフレッシュな状態ならば、勢いで押し切ってしまうこともできる。
競技でスポーツに取り組んでいれば、
少しでも速く、長く、強く、正確に目標に打ち込みたくなる。
その結果や状態が上向けば嬉しいし、気分は良いし、
自分が自分であることの価値を感じられる。
逆もまた真なりで、上手くいかない時は焦り、苛立ち、落ち込み、
自分の価値を見出せなくなる。
そんな波の中で、人は今日も生きている。
少しでも前へ!!
そう思うあまり、もがくあまり、オーバートレーニングに陥る。
本末転倒である。
人間の体は、回復力が追いつかない状態では力を発揮し切れない。
回復力は、高強度を繰り返す程に低下する。
よりハードなトレーニングを積むほどに、疲労は取れにくくなり、
細胞の修復は追いつかなくなる。
競技スポーツを行う上で、全ての種目に共通するのが、
回復力を発達させることだ。
酸素を全身に供給し、血液循環を促して代謝する速度。
その能力が高い程疲れにくく、筋骨格の修復は早く、負荷からのリカバリーが早い。
競技スポーツだけでなく、全人類の生活の質を握っていると言ってもいい。
回復力は、ゆっくり長く走ることで、最も効率よく鍛えることができる。
速く走ろうとしてはならない。
頑張ってはならない。
いつまでも走れるペースでより長く、より楽に走る。
どうせ高強度なんて、毎日繰り返すことはできないのだから、
頑張った日とセットに翌日はゆっくり長く動くワークをすれば、
コンディションの悪化を防ぐことができる。
良いコンデションを作れば、ハードワークの質は上がる。
焦ってやり過ぎることと、疲れたと言って動かないことが、
一番体にとってマイナスになる。