13年前にタイムスリップ
13年前に買って、擦り切れる程読んだ本がある。
厚くはないので、何度も何度も読み返した。
ページ数が少なく、文字数も少ない。
言葉数が少ないのに、シーンを鮮明に思い描かせる、その言葉の強さに虜になった。
元々あまり好きではないジャンルの本で、今ではより嫌いになったジャンルなのに、その本だけは異色を放っていた。
そんな本を、ものすごく久しぶりに手に取る。
繰り返し読んだこともあって、書いてあることが特別だとは感じない。
けれども、強い言葉が僕の中に脈々と生きていて、初めて手に取ったタイミングから少しも色褪せていないことも、同時に感じる。
最初は猛毒だったかもしれない本。
その言葉ひとつを、噛み砕いて、噛み砕いて、消化して、自分の体の中に入れたんだな。
13年前に、そんな作業をしていたと思うと、なんだか笑える。
そして、13年前にタイムスリップしてみると、生き方の方向性はずっとブレていないということも分かる。
途中、思い違いや失敗の方が沢山あって、悔しさもあるけれど、過去はもう変えられない。
ずっと前に読み込んだ本が、今でも滑稽に感じないことが嬉しかった。
人生は短い。
自分が思っている以上に、ずっと短い。
だから、悩んでる暇なんてない。
20歳の頃から、大切な人が次々と、あまりに早く旅立っていくので、僕はいつ終わるかわからない今回の人生を、全うしようと覚悟を決めている。
恩師との早すぎる別れがあって、13年前の本をたまたま手に取って、エネルギーの使い方を改めて考えさせられた。
今を生きてる僕らは、今できることをやり続けるしかない。
今日はこの辺で。
おやすみなさい!!