零細企業の意地「陸王」を観よ!
明日からドラマ「陸王」が始まる。
僕はこれをとても楽しみにしている。
期待している理由は、ストーリーが陸上、マラソン、足袋屋のシューズ開発ということではない。
もちろん、最初手に取ったきっかけは、走ることを題材にしたものだから、という理由だった。
でも、「陸王」に詰まっているのは、もっともっと濃く深い、人間ドラマだ。
原作者の池井戸潤は「下町ロケット」や「ルーズベルトゲーム」などでも知られる。
池井戸ワールドと言えば、下剋上、どんでん返しの大逆転劇、起死回生の一発。
「陸王」にも、弱者が窮地に追い詰められていくシーンが目立つ。
上手くいきかけても、頓挫する。
小さな光を見出しても、握りつぶされる。
どんなにもがき苦しんでも、次から次へと立ちふさがる壁。
何から何まで上手くいかない。
お先真っ暗、地獄のどん底。
そんな中で、伝統の足袋屋がいかに情熱を注ぎ込み、自分たちの想いをシューズという形にしていくのか。
たった1足のシューズには、社長や従業員、賛同してくれる企業や、失意の底から這い上がろうとするランナーの想いがパンパンに詰まっている。
そう、ひとつの形には想いが詰まっているのだ。
かれこれ1年以上前、発売直後に手に取り、一気に読んで、泣いた。
ジリジリと火が着いて、ドラマ化。
楽しみで仕方ない。
僕が最も刺激を受けたのは、諦めない事やシューズの開発のノウハウではなく、事業者としての在り方だった。
大工であろうと、魚屋であろうと、畳屋であろうと、コーヒー屋であろうと、整体屋であろうと、はたまたコンビニ経営であろうと、全部同じ。
営業から経営の、全てに通じる法則が詰まっていると言ってもいいかもしれない。
心から、カッコイイと思える、こんな店で買いたいと思う、情熱を込めて本当に良いものを作ろうして仕事をする、人間模様が描かれている。
ビジネス業界でよくある、ハウツー、テクニックや人脈交流とか、話が小さすぎて別次元。
そんなものは、全く通用しないし、どれだけダサくてカッコ悪いのもわかる。朝活とか言って群れてる場合じゃない。
僕は「陸王」を読んで、小説ながらこう思った。
「こはぜ屋に負けちゃおれんねー!!!!」
ついつい鼻息が荒くなった。
もう1年以上前の興奮は冷めやらず、今もずっとマグマの如く僕の中で熱を発している。
是非、沢山の人に原作を読んで欲しいなぁ。
というわけで、明日の夜は「陸王」観てください。