里山に降る雪と腰痛で知る春
雪の降らない静岡県では、雪が降ると県民がザワつく。
温暖な気候に慣れている我々にとって、降雪は事件に近い。
いや、事件だ。
河津桜も咲き誇り、春らしい気配を感じさせる日が増えてきた。
ここ焼津の地では「高草山に雪が積もると春が来る」という言い伝えがある。
年によってバラつきはあるが、確かに当たっていると感じる。
高草山の山頂付近は、粘土質の黒土の場所が多く、
冬の間は凍っては溶けの繰り返しで、一向に乾くことがない。
そこへ雪が降って解けると、ツルツルでグチャグチャの罠になる。
結構危ない。
ひょっとしたら、里山に雪が降ると春が来るというのは、
高草山以外にもある気がして、整体に来るクライアントさんに次々聞いてみた。
すると、同じような言い伝えが色んな山にあることがわかった。
冬の間、大陸からの湿った空気は、アルプスにぶつかり日本海側で雪を降らせるため、
静岡県では強い風が吹くだけだ。
静岡でも雪が降るということは、風向きが変わらない限り無い。
風向きが変わって雪が降るということは、
それだけ偏西風の流れに変化が出ているということになる。
風の流れが変わることが、春になるということだ。
そして、ここ静岡県ではもうひとつ春を告げる知らせがある。
「腰が痛い」
「腰が気になる」
そんな言葉を聞くと、僕は「春が来たなぁ」と感じるのである。
夏に麦茶が美味しくなって、秋になると麦茶が美味しく感じなくなるのと同じ、
春らしいカラダの反応が腰痛だ。
花粉症でのクシャミと咳は、腰に一撃をもたらすかもしれない。
カラダは本当によくできている。
気象レーダーよりも、正確かもね。