紙1枚の感触
本が好きだ。
以前から何度もそう書いてきた。
本が無かったら、今の自分は無かったと言い切れる。
義務教育期間の学力が空白になっている自分は、本に救ってもらった。
(高校以上の教科書レベルなら分かるが、中学レベルになるとまるでわからない)
僕の人生のゴールは、好きなだけ本を読む時間を手に入れる事だ。
好きな本を、好きなだけ読みたい。
今はまだ、その途中である。
本屋に行くと、読みたい本があり過ぎて、つい何冊も手に取ってしまう。
数冊まとめて買った時は、大概の場合、1冊の読み方がおろそかになる。
同時進行で数を読むと、それぞれの主旨が薄まってしまう感覚。
勿体ない。
そんな失敗は何度もある。
1冊だけ買うときは、何度も何度も読み返す事が多い。
本屋でも、Amazonで買う時も、1冊だけ買うものは強く自分に残る。
読みたいと思って買っているので、その時点で十分な価値がある本ばかりである。
数冊の同時購入に当たるか、単品購入に当たるかは、タイミングでしかない。
1冊ごとの方が自分に残るのは分かっているが、その時に買わないと本は手に入らなくなる。
目についた時が、旬なのだ。
とりあえず買っておけば、流れずに済む。
そうやって、本棚にスペースが無くなっていく。
このところ、ゆっくり本を読む時間が少なくなっている。
それでも、ほんの少しでもページを開くと、
浮き足立っていた自分の中身が、スッと落ち着くのを感じる。
たった1枚の紙の感触。
ページをめくるその手触りを元に、
慌ただしさで流されかけていた自分を取り戻す。
手触りだけで、スイッチが入るとは、思わなかったな。
こんな時代だからこそ、本が大事。
文字を読もう。
雨が降ったら、本屋へ行くんだ。