扁桃腺の手術から1年

ほぼ1年前に扁桃腺の切除手術をした。
全身麻酔で、8日間の入院。
退院して10日後に出たトレイルレースで勝ったけれど、まだその時はかなり喉が痛かったのを覚えている。
繰り返し炎症を起こした扁桃腺は肥大と周辺組織との癒着が強く、傷口も大きかった。
術後は水を飲む、唾を飲むのも激痛で、精神を病むくらいに痛かった。
体重は入院後5日くらいで5kg減。
運動不足で筋肉が委縮したことと、飲み物生活の影響は大きかった。
次第に喉の傷口に触れさせずに飲食をする技術を編み出し、そこから劇的に回復が早まったのを覚えている。
「炎症→癒着」というのはセットになっていて、全身の至る所で日常的に起こっている。
癒着は言い換えれば組織同士の接着であって、いいことはひとつもない。
炎症と聞くと悪いイメージかもしれないけれど、カラダに不要なモノを教えてくれたり、修復をするために起こるものなので、必要な反応だ。
問題は癒着であって、カラダにつぎはぎが増えていくと、不都合な事ばかりが起こる。
当然のことながら、腫れる喉が無くなってしまったので、扁桃腺は腫れなくなった。
扁桃腺は免疫系統のひとつで、カラダにウイルスが入って来ないようにするための門番をしているところ。
その門番が居なくなり、僕の喉はフリーパスになった。
じゃあウイルス入り放題かというと、そうでもない。
カラダには至る所に門番が待機しているので、扁桃腺が無くてもどこかしらでやっつけられる。
だから、のどが腫れて、痰が絡んで、咳が出て、熱も出ることは大幅に減った。
15年くらい慢性的に、年がら年中痰が絡んでいたのも治った。
風邪を引いたのも、この1年で1回だけだった。
そして、扁桃腺を取り去って、喉のスペースが大幅に広がった分、呼吸が楽になった。
扁桃腺がどんだけ呼吸の邪魔してたのか、取り去って初めてわかった。
いびきもかかなくなった。
吸える、吐けるって、素晴らしいことなんだと、改めて実感したと共に、走る時にどれだけ邪魔になっていたかもよくわかった。
扁桃腺は炎症を繰り返す程に、より炎症が強くなる。
手術に踏み切ったのは、扁桃腺に膿栓という白い膿が付くようになったから。
保健師の母親が、「それは放っておくと腎臓がダメになる」と口うるさく言うのを、始めは真に受けていなかったけれど、お医者さんに聞いたらそれは本当だった。
リンパ系統に広がったウイルスは、腎臓にも流れ込む。
カラダは浮腫み、おしっこの出もおかしくなって、血尿もでるらしい。
また、肺炎を起こしたり、髄膜炎になったり、そんなリスクもある。
合併症だけは勘弁願いたいところだ。
昨年は半年間で2回の全身麻酔での手術(膝と喉)。
特に喉に関しては、麻酔が覚めた時に喉の痛みで呼吸ができず、本当に死ぬかと思った。
動かないカラダと、果てしなく続く息苦しさと痛みで、軽くパニックになった。
それも、今では記憶の片隅にある程度で、すっかり快適な毎日を送っている。
扁桃腺手術の痛みは人それぞれで、特に子供は傷口も小さく苦しまないらしい。
痛みは避けられないが、苦しみ方は人それぞれ。
8日間の入院なんて大袈裟と思ったけれど、かなり死ぬリスクの高い手術だということも、よーく分かった。
術後良好で、執刀医の先生には本当に感謝している。
ドクターヘリに乗っていたという女医さんにオペをしてもらって、ラッキーだった。
コードブルーを観て、ふと昨年のことが思い浮かんできた。
長々と失礼しました!