心構えと向き合い方

僕のトレーニングの方向性は、富士登山駅伝と富士登山競走にある。
あのレースの一線で戦えるかどうか。
いくら考えても、スタートラインについて走り出すまで、通用するかどうかわからない。
気象条件、その時のメンツ、展開、自分のコンディションによって、
戦える時もあれば全く歯が立たない時もある。
一番危険なのは、自信を持つことだ。
自信なんて慢心の元だ。
100%不安でいい。
少しも安心してもいけない。
最後の最後まで、
どこかからスナイパーが背中を狙っているのを警戒するくらいに用心していい。
何とかなると思った時点で脚元をすくわれるのだ。
それくらいに、やれることをやり尽しても、
充分だったと思えない。
毎年、毎年、何回も。
富士登山駅伝も、富士登山競走も、
その舞台に立てるだけでも光栄な大会ではある。
タスキをつなぐ、完走する、それも素晴らしいことだ。
しかし、ここに「向き合い方」という大きな隔たりがある。
出る度に打ちひしがれて、叩きのめされて、心構えを変えさせられる。
経験したことのない圧倒的な無力感と、見せつけられる自分の甘さ。
何とかなると思っている。
勝負できると思っている。
厳しいというけれど、たかが知れているでしょ。
大袈裟でしょ。
っていう選手、チームが9割。
そういった選手達は、打ちひしがれることもない。
叩かれるところまでも到達しない。
そういう走り方もいいと思う。
どれぐらいの熱量で臨むかは人それぞれだ。
ただし、勝負にはならない。
手も足も出ない。
トレーニングは1日にしてならず。
日々の積み重ね、継続性と計画性に全てがかかっている。
弛むことなく遂行していくことができるか否か。
心構え、向き合い方がやがて大きな差になるし、
もっとも埋まらない差なんじゃないかと思っている。
大きなやるべきこと、やりたいことのために、
今やらなければならないことは何か。
今やりたい事に時間を使っていては、
永遠に目標には到達できないし、
目的は達成されない。
ランニングも仕事も、全部同じだと考えている。