幻弾でもいいじゃない
WBCが開幕し、それから連夜僕のココロはそわそわしている。
施術には集中しているけれど、WBCの試合がどうなっているかは気になってしまう。
いくら僕が走ることを日課にしていても、小学生から大学まで打ち込んだ野球は、
もはや細胞レベルにまで浸透している。
花粉症シーズンになれば鼻がムズムズ、目が痒くなるように、
野球のシーズンが開幕すれば僕のココロがそわそわする。
ファンの前で魅せるShowのペナントレースと違い、
WBCはガチのゲームだ。
だから泥臭いプレーもあり、普段は観れない表情もあり、戦術もあり、
珍しくTVの前に釘付けになってしまう。
3月7日のキューバ戦の4回、山田哲人の放ったレフトフェンス際の打球が、
ホームランから2ベースヒットに変わった。
観客の中学生が、フェンスよりも前で打球を捕ったことによる判定だった。
一度はホームランと思われたものが、2ベースに変わる。
野球では時々起こることだ。
歓喜に沸いた東京ドームも、落胆のムードが漂うのが画面ごしにも分った。
判定が覆った瞬間、気になったのは捕球した中学生のことだ。
ここ最近、日本人の他人に対する叩き方というものは、容赦ない。
完膚なきまでに、再生不可能なまでに追放する風潮があることは否めない。
スタンドにいた中学生は、さぞかし居住まいが悪かったろう。
罵声や怒号を浴びせたファンも居たかもしれない。
結果的には快勝した試合でも、もし負けていたらどうなっていたかわからない。
今朝のネットのニュースで、
山田から幻弾少年へ「またグラブ持って応援に来て」
日刊スポーツ 3/9(木) 7:57配信
という記事を読んで、僕は胸が熱くなってしまった。
プロの選手なら、
きちんとスタンドインするまで飛ばさなかった自分が悪いと思うだろうし、
2ベースになった所でまた打ち直せばいいと考えるだろう。
あの中学生に、非は全くないのだ。
それに、あそこであの打球が来たら、捕るのは当たり前だ(笑)
仮に中学生が捕らなかったとして、スタンドインしたかどうかは、わからない。
2ベースヒットとする判定も、よく見ている審判の素晴らしい判定だ。
WBCは見どころ満載。
走るのが好きかと聞かれると「うーん…」と言いたくなるけれど、
野球は大好きだ。
あなたも、観てね。
ではまた。