不毛な前か後ろか合戦
数年前に、いやもうちょっと前か、フォアフットという言葉がランナーの間で広まった。
理想的な、合理的な着地は、足の前側、前足部だという。
そして、踵からの設置は悪で、故障を招くというのが新常識とされた。
フォアフット性善説、ヒールストライク性悪説である。
残念ながら、足を「前と後ろ」としか考えていない出発点で、この説は大間違いをしていた。
おかげで、勘違いが勘違いを生み、多くのランナーがしなくてもいい故障をして、未だにトンネルから抜け出せないいることも少なくない。
もはや宗教と同じで、この世の仕組みに合っていないカラダの使い方は、軋轢を生んで淘汰されていく。
不合理な流行と、目新しさに飛びついて信仰したフォアフット理論の代償は大きい。
フォアフット信仰者はまだいるし、今後何年も居なくはならないだろう。
そう、10年前には既にカーボローディングはメリットが少なく、デメリットが大きいと言われていたのに、未だに取り組む競技者が居るのと同じことだ。
今日も、足の着き方の説明に、随分時間を割いた。
それも、2人。
良かれと思っていることが、大間違い。
知識を集めて、賢くなるごとに、現象を見失う。
誤解を解くには、ひとつひとつ、丁寧に説明していくしかない。
手と足の動きから、総ざらえした。
全ての歩行、ランニングの着地点は、足の前でも後ろでもない。
正しくは、外側、アウトエッジのライン。
この「ライン」がミソ。
股関節外旋位で、足底はやや内反する。
この入り口さえ間違えなければ、あとは勝手に体重移動が起こり荷重が抜けていく。
これを、何も考えずに出来るかどうか。
考えれば、考えるほどに、筋肉の緊張が強くなり、ブレーキが掛かり、ストッパーの部分は壊れやすくなる。
もう、フォアフットという言葉自体、時代遅れ。
おサルさんの頃からやってきた、サルでも分かる着地。
正解は、あなたの足が知っている。