ジェットコースターの教え
通常土曜日は、予約の枠が詰まっていることが多い。
今日はそんな土曜の枠を更に詰めた(単純に午後に枠を詰め込んだ)。
今年の厄払いをしに行かなくてはならなかったからだ。
昨年の1月上旬、
日本平の山をコースに行われる「有度山トレイルランニングミニレース」の試走に行った際に、右膝を負傷して手術をした。
一昨年にレースのコースを間違えて失格になったことと、足場の悪さが特徴のレースなので確認をするための試走だった。
コースは高低差はさほど大きくはないが、細かなアップダウンが連続していて、
細い尾根を急降下と急上昇を繰り返すようなジェットコースターコースとなっている。
これが脚力と心肺機能にとてつもないダメージを与える。
また、岩や石、木の根を枯れ葉が覆い尽くしていることで、枯れ葉自体が滑る上に枯れ葉の下の状況が分からない。
下りに苦手意識のある僕からすると「危ないコース」という印象しかない。
しかし、苦手をいつまでも苦手にしていてはならない。
昨年大怪我をすることになったコースにリベンジで今年も大会に出ることにした。
ジェットコースターコースは約9km。
招待選手の近藤敬仁さんと、望月将悟さんは山岳レースのスペシャリストだ。
近藤さんは世界選手権の日本代表だし、将悟さんはトレイルランニング界では伝説であり神様というクラスの選手である。
縁あって、2人とは時に同じチームで駅伝に出ることもある仲間でもあったりする。
ちなみに、この二人は山だけでなく、ロードやトラックを走らせてもとんでもなく速い。
そんな強さをもつ人が、山を転がるように駆け下る技術を持っているので、凡人の僕は到底敵わない。
今日は近藤さんを半分までは前に捉えながら走っていたが、途中から離されてしまった。
将悟さんは僕の5秒位後ろに着いて、生かさず殺さずといった感じで追っかけまわしてきた。
将悟さんのすごい所は、ロードを走っている時も山でも、走る音がほとんどしないことだ。
日本海から太平洋までを走る、トランスジャパンアルプスレースを4連覇しているだけあって、その走りは人間よりも鹿に近い。
いつも将悟さんにも近藤さんにも、下りの部分で離されて差をつけられるところが、今日はそう大きな差はつかなかった。
結局、レースの結果は近藤さんが1位、僕が2位、将悟さんが3位でフィニッシュした。
例年は近藤さんにも将悟さんにも2分以上離されるけれど、近藤さんとは1分とちょっと離され、将悟さんからは45秒くらい逃げることができた。
山下りはやっぱり、すっげー怖かった。
でも、怖いからといって後ろに身体を反ると足を滑らせるし、バランスを取れなくなる。
では怖い時にはどうするか。
今日の教訓「怖いと思った時には、頭から突っ込むこと」だ。
怖いと思って逃げると、余計に怖い事態に陥る。
怖いから逃げるのではなく、逃げるから怖いのである。
怖い時こそ、頭から突っ込む意識で行くと制御することができる。
これは、山下りだけではなく、色んな事に言えることかもしれない。
2位になったので、ボトルが2本付いたランニングザックをもらった。
昨年は大怪我したコースを攻略できて、厄払いになったはずだ。
来年は優勝を。
色々写真を撮ってこなくてごめんなさい。
それではまた!
「からだ工房らくだ」