シューズの解剖パート2
ランナーはシューズが好きだ。
お気に入りのシューズは大事にしながらも、バンバン履き込む。
早ければ1か月位で傷んで履けなくなってしまうものもある。
今回「千切れない千切り」で話題になったシューズは、靴底に亀裂が入っているせいで走っていると石が入り込んでしまい、残念ながら引退することになった。
せっかくなので、久しぶりにシューズを解剖してみることにした。
アディダスのタクミ戦ブースト(通称センブー)だ。
裏はこんな感じ
ちなみに、色は違うが新品はこうなっていた(アディダスHPより拝借)
この亀裂が結構深くて厄介だった。
シューズのねじれを抑えるプレートの境目も千切れてきている。
解剖するのに、切れのいいカッターや電動ノコギリは準備することができなかった。
切るのに使ったのは、山菜を収穫する用のナタだ。
見た目はごっついナイフだが、片刃で刃も厚いので、植物を刈り取る位しか切れない。
熊や猪には到底太刀打ちできない、貧弱な武器である。
シューズを切るにも苦労した。
踵の亀裂は結構深く、内側からも亀裂が入っていた。
前足部に入っている特殊な材質の「ブーストソール」米粒のような発砲材
衝撃を推進力に変える反面、使い込むとツブツブが割れてくる
体重が抜けていく部分のブーストは反発力が残っていて潰れにくい
蹴り出しの時に負荷が掛かる部分は簡単に潰れてしまい、フニャフニャしている
これだけ潰れると、実際走っている時の地面との厚みは3ミリくらいだろう
ちなみに、タクミ戦ブーストの中敷きは通常取り外しができないが、履き込んだことで勝手に剥がれた。
その形を見て、閃いた。
アシックスの「ターサージャパン」の形によく似ていたからだ。
一見すると形が違うようだが、足が触れる部分は同じ形をしている。
ターサーは足の側面に触れる部分が立っている。
試しに、ターサーにタクミ戦ブーストの中敷きを入れたら、ピッタリだった。
ターサーもタクミも作ったのは同じ人だから、似ているのは当然といえば当然だ。
解剖してわかったことは、あんまりボロボロまで履くと危ないということだ。
ケチらずに、必要なものにはちゃんと投資しよう。
「からだ工房らくだ」