アボカドとラーメンと整体

整体は、歪みを正すもの、機能を回復させようとするものです。
今ある状態があって、その状態の改善を試みます。
なので、今どんな状態なのかということが、かなり大事になります。
カラダからの情報をいかに抜きだして、その情報を整理して、
アプローチを決めていきます。
アプローチの方向性が合っていれば、何をやってもいい。
そこでの技術はもちろん高度なほどいい。
でも、高度な技術でカラダが良くなるわけではありません。
いくらアボカドがカラダに良いと言われていても、
女性に人気でも、うちの奥さんは「やっぱり青臭くて嫌だわ」と言う。
どんなに工夫を凝らしたとしても、有名シェフが作ったとしても、
そもそもアボカドが嫌いで食べたくなかったら、
その料理の対価なんて大したものではないのでは?
と思うのです。
だから、これをやれば良くなります!とか、
骨盤矯正で○○がなおります!
みたいなコース料理的な整体のメニューを目にする度に、
うちの奥さんは「受けたいと思わない」と言います。
だって、その人なりの、その日の体調や好みに関わらず、
「アボカドはカラダにいいので是非どうぞ!」って言って出されてくるのと同じだから。
「どうだ!これうまいだろ!」みたいな施術も料理も、いかんなと思うのです。
逆に、温度や湿度や、人の顔色に合わせて塩加減なんかをいじってくる料理人がいたら、
それはいい意味ですごく憎い。
なんなら「今日のはどうでした?」なんて聞いてくれると更に憎い。
最近近くにラーメン屋が新たにオープンに向けて工事していますが、
いち早くできた看板が既に「食ってみろ!」みたいな感じで、ちょっと残念です。
話がそれ過ぎました。
要は、カラダの状態を見定めないと、どんな施術も無意味だし、
見定めをした上での施術にこそ、整体の価値があると思うわけです。
僕はアボカドは好きです。
師匠の奥さんにもらった芽の出た種も、木になってきました。
派手な暖簾の脂最強の豚骨ラーメンよりも、
スープの濃さと麺の硬さが微妙にいつも違う、
脂の1滴も浮いていない老舗の朝ラーメンが好きです。
整体も、料理人から学ぶことばかりだなと、ふと考えた1日でした。