テーピングの良し悪し
テーピングと言えば、スポーツの現場だけではなく、
一般にもよく知られた、簡易的な固定用具のひとつ。
テーピングにも様々な種類があって、
その伸縮性や幅、素材によって目的と用途がかなり変わってくる。
応急処置としての固定、
安静のための固定、
外傷予防としての固定、
安定性確保のための固定、
筋力補助のための固定、等々。
テープを巻く、貼ることで皮膚や関節、筋肉の動きに「制限」をかける。
これだけで厚い本が5冊は書ける。
めんどくさいから書かないけど。
テーピングは、戦争中に負傷した兵士にもよく使われた処置で、
きちんと巻く、貼れば、骨折している場合でも動けるようになる位に有効な手当だ。
ただし、きちんと巻ければの話。
テーピングは「一時的」な補強、固定に限定して使うのが原則。
試合中、練習中、負傷後に処置が受けられる場所に行くまで、等の短期間の使用だ。
例外として、軽微な損傷の治癒が進むまで、1週間~10日程度の継続使用はあり得る。
その場合でも、皮膚への負担を考慮して固定の仕方を変え、頻繁に張り替える必要がある。
長時間、長期間に向かない理由は、テープも身体も持たなくなってくるから。
きちんと巻けば有効なテーピングだが、
実際にきちんと機能しているテーピングを見ることは、少ない。
「なんでそんな貼り方するかい!!!!!」
と突っ込みたくなるテーピングばっかりで、心苦しい。
特に、接骨院業界でのテーピング。
明らかに用途と手法が合ってない。
目的と手段が合ってない。
形だけのテーピングで、全く機能していない貼り方をして、
その手数料でチャリンと500円上乗せ。
居酒屋の突き出しと変わらない。
治すどころか、身体の機能すら制限している。
治療家なら、パッケージ化された巻き方じゃなくて、
一人一人の状態に合わせて自在に関節の動きをデザインする位の巻き方はして欲しい。
習ったからこう巻いとけばいい、みたいな使い方は本当に残念。
貼り始め、引く方向、引くのか・引かないのか、どこで止めるのか。
関節や筋肉の走行、動きに応じて、どう制限をかけて、どれだけ自由度を残すか。
ここまでやって、初めてテーピングに命が宿る。
1本のテープに、ちゃんと意味があって機能を成す。
貼っとけばいい、とりあず貼ってます。
みたいな使い方は、ランニング界でもよく見る。
高価なテープが、あぁ…もったいないなと、目を覆いたくなる。
テープに息を吹き込むのか、それとも動きの邪魔をするだけの精神安定剤に留まるのか。
テーピングは本当に芸術。
お洒落なカラーが出て来ているからこそ、機能美にこだわりたい。