想定外規格外

台風７号による豪雨で、甚大な被害が出ている。

まだ状況の把握が出来ない位に被害も深刻だ。

 

ここ焼津市では、被害が出るほど深刻な雨は降らなかった。

豪雨で被害が出ている地域との差が激しく、同じ日本とは思えない。

 

自然災害というものは、人間が考えるものを越えたものが襲い掛かる。

対策、対策と、対策をすれば何とかなるものではない。

記録的な猛暑も、記録的な豪雨も、地震も、火山の噴火だって、

規格外のものが次々起こる。

 

近頃では、何かあると責任の所在がどうとか、対策がどうのと、

後から詰問される場面が多い。

事前に準備できるものを怠っていたのなら論外であるが、

全てを「手を打っておけば何とかなる」と思い込んでいる人も多い。

 

自然には敵わない。

思うようにならないのが、自然環境。

いくら文明が発展しても、テクノロジーが進歩しても、自然の前には人は無力だ。

 

正しい事さえやっていれば、問題は起きない。

正しい事を守っていれば、安全だ。

道を外れなければ、無事でいられる。

僕らは、そう教わって来た。

 

そんなの、嘘っぱちだ。

想定も、常識も、全部頭の中のファンタジー。

現実はいとも簡単に幻想をひっくり返す。

信じていた正しささえ、不正解にひっくり返る。

 

「大丈夫」は大丈夫じゃない。

大丈夫じゃないは、大丈夫かもしれない。

常に感じて、常に考えて行動するしか道は無い。

 

消防学校で訓練を受けていた頃、

七夕には必ず非常呼集という特別訓練が掛かるという噂があった。

そして夜間、本当に非常呼集が掛かって、訓練が始まった。

その時もかなり雨が降っていて、

非常用の水や食料、装備を背負って山を縦走した記憶がある。

訓練の名目は「七夕豪雨の犠牲者の追悼のため」だった。

 

今回の豪雨での被害が最小限に済むこと、

1人でも多くの命が救われることを願いたい。