プロフェッショナルとは

川内優輝くんが静岡マラソンに出場する。
そんなニュースが出た。
http://www.at-s.com/sports/article/shizuoka/586461.html
4月には県庁の職員を辞めて、プロになるという彼。
ようやくである。
次週にある東京マラソンに比べれば、かなりマイナーな大会である静岡。
プロになるなら、静岡じゃなくてメジャーな東京マラソンで勝負しないの!?
という声もある。
プロらしくないと、賛否両論ある。
それは日本における「プロ」という言葉に対する、認識の違いで起こる。
プロフェッショナルになるという事は「走ること」でお金をもらうという事。
お金をもらうという事は、走ることが「人に求められる」ようになる。
県庁で働いて市民ランナーで走っていたら、余暇と自分のお金で、自分のために走ればいい。
しかし、プロになるという事は、マラソンのレースがひとつの「ショー」になり、
ランナーという役に徹して「エンターテイナー」になるという事を指す。
レースだけでなく、講演会や練習会イベント、執筆や、ゲストとしてのシゴトもあるだろう。
彼ほどの戦歴を残せば、余程の不祥事でも働かない限り、
マラソンに関わる事で一生食っていけるはずだ。
「プロになる」という事は、記録を残す事や、勝つことに徹する事ではない。
むしろ、狭い「競技の世界」からの脱却を意味する。
タイムや成績は追うには追うだろうが、
必ずしも「賞金で暮らす」という事ではない。
走ることが本当の「パフォーマンス」になる。
東京マラソン前に静岡マラソンに出るのは、
プロとして大事な地方巡業、地方営業になる。
速さ、強さのモノサシで測るだけでなく「魅せる」のがプロ。
プロ野球やプロの格闘技は、ガチの「ショー」で観客を楽しませる、
というエンターテイメントになっているけれど、
日本におけるマラソンは、全くその土台も出来ていない。
まだ誰も開拓できていない市場を、どう切り拓くか。
プロフェッショナルとは、そこまで考えている人間のこと。
今日はこんなところでいかがでしょうか。