関節を保護することを考える
全身の各関節を動かすこと。
整体の基本はここにあると、一番最初に師匠から教わった。
事あるごとに、他動的に動きをつけることが、人の身体の機能回復のために、どれほど有効であるかを思い知らされてきた。
極端な例を挙げれば、心臓マッサージは、止まった心臓に他動的に筋肉に動きをつけることで、再拍動を促す。
一度動きがついたものは、その動きを保とうとする性質が、人の身体にはある。
関節が動けば、筋肉が動く。
筋肉を促通させれば、関節が動く。
整体の原理原則は、心臓マッサージにも通じている。
関節は、腱や筋膜、靭帯、滑液包など、繊細で柔らかい組織で支えられている。
関節に大きなストレスが掛かると、時には柔らかい組織に損傷が起こる。
すると炎症が起こり、次第に石灰化が始まり、組織が弱く硬くなっていく。
一度石灰化した組織は、再構築しない限り、機能が低下してしまう。
再構築するには、石灰化した組織を、一度破壊しなければならない。
スクラップアンドビルドである。
そして、関節を支える組織を強化する必要がある。
間違えやすいのは、関節を支える組織を強化することは、筋力強化とは違うということ。
いくら筋力を上げようとしても、それに関節が耐えられなければ、その負荷により損傷が起こる。
重要なのは、関節を潰す動きではなく、調和の取れた協働的な動きをすることで、関節組織の再構築を常に促すということだ。
サプリメントでは、関節は復活しない。
関節を守るのは、自然がデザインした体本来の動きを、意識して動かすということだけ。
めんどくさい話はこれくらいにして。
どこの馬の骨とも知れない海外のサプリを飲んだ結果、様々な健康被害が出たケースを目にしたり、日頃よくある質問から、身体の機能について考えてみた。
自由で、健康に動く身体は、かけがえのない財産である。
今年もあと少し、最後まで駆け抜けよう。