踏み抜きは危険なので
山を登る時は大して問題にはならないが、下る時はシューズの形状が安全性を左右する。
硬めのラバーで溝の深いトレイルシューズはグリップが利く反面、引っ掛かったり、路面の感覚が掴みにくく、表面の滑らかな石やコケの生えた所は滑りやすい。
ガッチリした造りの分、シューズの外周も大きくなるので、その大きさも躓きの原因になる。
一方でランニングシューズは外周も小さいし、引っ掛かることも少ない。
ただグリップは利かないので、路面を捉えにくく、スリップもある。
軽くてクッション性がある分、柔らかいので岩の突き上げにはめっぽう弱い。
操作性、走りやすさを取るならランニングシューズ。
安全性を取るならトレイルシューズ。
この間、高草山の山頂から駆け下っている時に、ランニングシューズを履いていた。
使い古したボロボロのシューズなら、汚れても岩場で傷んでもいいと思っていた。
スピードに乗っているところで、左足の踵に鋭い岩の突き上げがもろに入った。
岩の尖っている突き上げに対して、落下しながら踵が垂直に入ってしまった。
岩の突き上げの前には、ランニングシューズのクッションは無力である。
一瞬、踵の骨が砕けたかと思ったが、なんとか強烈な打撲だけで済んだ。
あまりの一撃に、何か対策を講じようと考えた。
トレイルシューズの中でも、グリップは利いても突き上げに弱いものもある。
真っ先に考えたのは、踏み抜き防止用のインソール。
建設現場や災害現場では割と普通の装備である。
鉄板入りのものは重くて硬くて走るのに適さないので、ポリエステル繊維の集成材のものを購入。
靴のサイズに応じて切ってお使い下さいと書いてあるので、普通のハサミで切ろうとしたがまるで歯が立たない。
釘やガラス、金属を踏み抜かないための中敷きなので、ハサミで切れないというのも当然と言えば当然か。
柔軟に曲がるのに、裏からの突き上げに関してはびくともしない剛性をもつ。
金切りバサミと大きなハサミと、ヤスリで格闘。
3日に及ぶ試行錯誤と微調整の結果、何とか完成した。
これでランニングシューズで山を走っても、岩場の突き上げも大丈夫!
と信じたい。
780円で特注インソールの完成でした。
効果の程は後ほど。