誰も拾わないので

最初に公式の駅伝に出てから１４年、本格的に走り始めておよそ１０年。

その間、監督やコーチの指導を受けた事が無い。

 

トレーニングのベースは、学生時代の勉強がベース。

解剖学、運動生理学、栄養学、

バイオメカニクス、運動学、

スポーツ医学といった、スポーツ科学の基礎理論。

 

基礎理論を実際に確かめてみたり、今度は応用したり、

試行錯誤を繰り返しながら走ってきた。

それしか、道が無かったし、それが一番間違いないと考えていた。

 

昔からの慣例だったり、典型的なトレーニングの方法に、矛盾や間違いがあること、

また理に適っていて、結果の出ているものなど、

その裏付けや検証をすることに興味があった。

 

気持ちの良いランニングキャリアを積むことが出来ているのは、

不勉強な指導者の刷り込みがゼロだったからだと思う。

これはラッキーだった。

 

中学校の選抜陸上には、先生に気に入られなかったので選ばれなかった。

ある先生のお気に入りが、学校の代表で出る地区の陸上競技は気持ち悪いと思った。

そんな態度が常に出ていたので、体育の成績も２か３だった。

 

気に入られた同級生たちは、

学校の代表として選抜陸上に出ていたが、

選抜基準が先生のお気に入りで、本番で通用する訳がない。

 

「大会に出た」という記念だけが残る。

そんなことをしているせいで、

先輩達も同級生も、後輩達も、その後も走る事は無かった。

焼津市の陸上競技レベルが上がらず、目立った選手が出ないのは、

その先生が赴任する先々で、それを何年もいまだに繰り返しているからだ。

 

選抜陸上に出ましたとなれば、高校入試でも有利になる。

自分の息の掛かった生徒が志望校に合格すれば、箔が付く。

気に入られたい生徒と、出世したい先生に、上手い事使われているのが地区の陸上大会だ。

これ、ホント。

 

そんなインチキくさい点取り虫達とは無縁だったので、

僕が長距離ランナーとして日の目を見るには、随分時間が掛かった。

見次クラブに拾われて、実戦で打たれて打たれて、鍛えられた。

 

陸上競技経験ゼロ、野球しかやっていない僕を、

社会人駅伝チームが拾ってくれた。

その事が、ライフワークにもつながり、今の人生を作っている。

 

学校の成績は随分と損したが、結果的には大正解だった。