４月が永遠に続けば

不要不急の外出は控えて下さい。

そう連日のように、どこからともなく聞こえてくる。

人生をかけて仕事しているのに、その業種を不要不急と言われる切なさよ。

特に飲食店は切ない。

世の中は残酷なもの。

誰かが助けてくれると思ってはいけない。

 

自分の意思と、自分の足で切り拓くしかない。

誰にも期待するな。

自分を頼りにしろ。

 

とまぁ、先の見えない状況に、

独自の判断で動けばいいじゃないかと、どうしても考えてしまう。

だってボク、政府の支配には従うつもりないし。

今までも、これからもね。

 

不要不急の定義や意味は、人それぞれ。

こんな時に、アイス買いに行ったら不要不急かもしれないが、精神衛生上は必要。

「爽」のプリン味美味いよ。

 

テイクアウト、エール飯なんていう動きも活発。

わざわざテイクアウトに出る必要があるのかどうかと言えば、

そうまでしなくても、生きていける。

でもね、生きていく上では、楽しみが必要なんだ。

ただ息して、カロリーのある物を食べてればいいわけじゃない。

 

出前という文化が息を吹き返して、

ラーメン丼にピンピンに張られたラップから、

スープがこぼれそうで全然こぼれない、あの不思議さもいいじゃないか。

 

僕のスーパーカブ、貸そうか？

あ、この間パンクしたんだった。

直さなきゃ。

 

どこどこの店が開いてる。

なんてメンドクセー自粛ポリスが、地方にもいるらしい。

目的と手段の区別がつかなくなる正義マン。

うるせーよ。

じゃあ買い物するなよ。

って言いたくなる。

もう言ってる。

 

健康維持のためのランニングも、不要不急には当たらない。

食うだけ食って、運動しなかったら病気になるだろ！！

ストレスは万病のもと！！

外出て、運動しろ！！

開放空間では、飛沫感染の例も無い。

外が一番安全。

室内に籠るのが、家庭内感染が広がって一番危険。

庭でキャンプする？

 

走りに出ると、空気に乗って、この時期は色んな匂いがする。

この時期独特の、温度、湿度、花の匂いや植物の匂い。

それが嗅覚を伝って、過去の４月、５月の記憶を呼び覚ましてくる。

 

緊張したり、ムカついたり、笑ったり、喜んだり、

あんな事もあったなと、吹き抜ける風が一瞬で引き出してくる。

 

引き出しの奥でクシャクシャになって、

存在すら忘れていた宿題のプリントのような記憶を。

 

あ、それは僕だけか。

 

山が黄緑色になって、新芽の青臭い香りがして、

半袖でいいかと思ったら寒かったり、

油断したら真っ赤に日焼けしたりするこの季節。

 

いつしか、風を味わった時、「新型コロナってあったよね」

そう昔話ができるようになりますように。

記録にも、記憶にも残る春であった事は間違いない。