解凍と解糖

半年前まで、「週に1度はトラック練習」と繰り返し言っておきながら、
3カ月前からトラック練習を封印した。
足すら踏み入れない。
ひたすらロードで、あとは坂で、時間をかける。
脚で稼ぐ。
明らかにキャパは上がってきた。
粘りも出てきた。
ベースができてきて、スピードトレーニングも少しずつではあるけれど、
動きが良くなってきている。
畑で言えば土作りができた程度、洗車で言えば手洗いが済んだぐらいか。
日本で長距離走で「スピード練習」と言うと、
400mや1000mを繰り返すインターバルトレーニングが一般的である。
しかし、リディアード理論をはじめとして、
海外ではインターバルトレーニングは、スピードトレーニングとして考えられていない。
インターバルトレーニングの速度領域は、
スプリントのような全力ダッシュで行うものではない。
いくらしんどくても、それは最高速度を上げるものではない。
スピードトレーニングとは、いわゆる「流し」や「ヒルトレーニング」、
50m/50mのような、スプリントを上げるアプローチのこと。
最高速度を押し上げていくのが、文字通りスピード練習である。
スプリンターのスピードを持ちながら、
ペースを維持しながら距離を走る切るスタミナをもつ。
走るということを楽しむためには、その両輪が必要だ。
まだしばらくレースは無いので、土台作りとスピードトレーニングは続く。
土台とスピードの橋渡しになる、
解糖系を刺激するインターバルトレーニングはまだ先だ。
レースのスケジュールが立つまでは、トラックはまだ封印・・・
と言いたいところだったけど、15kmJOGの後、400m1本入れてみた。
80秒ぐらい掛かっちゃう気もしていたけど、リラックスして70秒で軽く行けた。
3カ月ぶりに走るトラックは、病みつきになるぐらい走りやすかった。
昨日までで今月は370km。
有酸素の土台ができると、インターバルトレーニングのベースも上がってくる。
5000mでベスト出した時は、ペース走と通勤ランで土台を作って、
階段とスキップでプライオメトリックをやって、それだけでタイムが出たのだった。
スプリントらしいスプリントも、インターバルトレーニングも無かった。
しっかりと土台を作っていたので、その年は15分20秒切りが1回、
15分20秒台は何度も連発した。
しかし、その時は何が噛み合ってタイムが上がってきていたのか分からず、
コンデションの積み上げの幅も高さも無かった。
そこそこのタイムで頭打ちとなり、
たまたま上手くいったシーズンとなってしまった。
あの時きちんと理解して、この数年間トレーニングを重ねていたら、
トラックからロードまで、もっと走れていただろう。
今はそのやり直しをしている。
300m×20本や、400m×20本をやり出した時、
どれだけの余裕を持てるだろうか。
そのために、今日も有酸素ランとスピードトレーニング。
今はまだ、速く走れなくていい。