自己ベストと撃沈はセット
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初の福岡国際マラソン。
最低目標の2時間半切りはおろか、完走もギリギリだった。
中間地点で予定より既に遅れていた。
集団も崩れてまばらになり、リズムが狂い始めた。
31.6kmの折り返し手前で、右のお腹に刺し込み発生。
練乳が活きるラスト10kmまでに、終わってしまった。
動きが鈍ると、脚も動かなくなって、痙攣の繰り返し。
最後2kmは、前腿もハムストもずっと痙攣。
立ち止まっていた台湾の選手を励ました直後に、
自分が動けなくなって、逆に励まされるという事態。
ここしばらく無いぐらいの、地獄レースになった。
いや、30km過ぎから、レースになってなかった。
過去ワーストクラスの撃沈。
完走できただけ、まだ良かった。
実際の大会運営は、5kmごとの通過時間の関門よりも、厳しい。
走りが崩れた選手、途中で立ち止まる選手、
審判員がこれはもう厳しいなと判断したら、
どんどん足切りされていく。
走っていても赤旗を振って止められ、失格になる。
30km以降、僕はどこで失格になってもおかしくなかった。
監察の車が近づいて来る度に、
強制収容されるんじゃないかと思ってハラハラした。
意地でも進み続けられたのは、応援してくれた方たちのおかげ、
一緒にレースを走った仲間、全国から集まった選手達のおかげだった。
トレーニングもこれまでに無い程順調で、体調も良く、
走れば間違いなくベストが出ると思っていた。
その全ての過程の中で、見直すべき課題、改善すべき課題があったのだ。
マラソンランナーの聖地で、最高峰の大会での自滅。
こんな痛い目に遭うことでしか、得られない経験ができたと思っている。
思えば今まで、ベストタイムを出す前には、必ず大撃沈があった。
失意の底で課題を見つけ、それに向き合ってここまで来たのだ。
大失敗と成功は、いつもセットなのである。
僕の強みは、どれだけ派手に転んでも、
何度だって立ち上がること。
決してただでは起きないこと。
今まで、それだけで生きてきた。
もう、やる事は決まっている。
来年、また福岡国際マラソンのスタートラインに着いて、
最初から最後まで、駆け抜ける事だ。
あの緊張感と、レベルの高さ、
走る選手達が皆、ゴールを共に目指す同志なんだという、一体感。
マラソンランナーの甲子園だと称される所以を、肌で感じた。
もうひとつやる事は、次は1泊ではなく、2泊してくる事。
今回は観光も遊びも、ほぼゼロで2日間終わってしまった。
レースは地獄を見て、遊びもせず、やり残した事しかないのである。
福岡国際マラソンまとめは、これにて完結。