背骨の動きとパフォーマンス

毎日人の背骨を触って仕事をしている。
配列、弾力、可動性をみて、動かした方が良いところには、アジャストメントをかける。
それが一番確実。
ユラユラしたり、わさわさしたり、なでなでしたり、そういうまがい手技は使わないな。
ひとつひとつの背骨(一般的には24個+仙骨)は全て連動していて、
1個が固まると他へも影響が出る。
また、1個が動くと他も動くようになってくれる。
首の動き、背中の動き、体の回旋や前後運動も、背骨で変わる。
普段、仲間とのトレーニングで先頭に出る実力の無い僕は、
大概は集団の後ろにいる。
ここは中々の好ポジションで、強いランナー達の動きを観察できる場所だ。
(そんな余裕すら無い時も多々あるが…)
強いランナーは皆、背骨がしなる。
それも、着地の際の前後運動に加えて、左右にリズミカルにしなる。
回旋は大きくない。
体幹を固めず、しなやかに動かしている。
これは、本人たちは無意識にやっている「結果」であって、
真似しようとしても、不都合な結果にしかならない。
個性で手足のストロークの違いはあれど、
背骨だけを切り取った映像が出来たら、
左右にしなるジョイントが、弾む様子が分かるだろな。
骨盤から上は、ショックアブソーバーにならなければいけないのだ。
体幹のしなやかさ、体幹の固まらなさが、スピードになり、
スムーズな運動がスタミナの温存をさせる。
一方で、体幹固めてると、動きにしなりが出ない。
ぶれちゃいけないとか、体幹が弱いから強くしないととか、そう刷り込まれてると、
動きの連鎖がおかしくなってくる。
背骨もカチカチ。
そして、背骨の可動が悪くなると、股関節や膝に影響が出る。
多くは内旋が強くなって、そのままでいると靱帯や腱の付着部、半月板を損傷する。
膝頭が内側を向いているランナーは、注意が必要だ。
背骨を動かしていれば万事OKなわけではないが、
背骨が動くだけで体の動きは相当変わる。
柔らかく背骨が動くランナーは、トレーニングそのものが同時にケアになるので、故障しにくい。