続・そろそろヴェイパーフライの話をしようじゃないか
そろそろ感が高まってくると、更新されるこのシリーズ。
シューズがどんな原理なのかは、過去のシリーズをお読みください。
続編を書こうと思ったのは、ヴェイパーフライ(以下VF)報道が、
噂話レベルの内容でひどいから。
書かれる記事の内容が、精度、鮮度、確実性の面で低すぎる。
スポーツジャーナリストなら、もっと徹底的に調べて書いて欲しい。
世の中の理解、解釈が歪んで、意味が変わってくる。
調べずに言っちゃう、書いちゃうところに、価値はないでしょう。
もうね、そろそろ感が溢れてきた。
VFをどんなに調べても、バネの働き、推進力生み出すものは見つからない。
過去記事でも繰り返し書いているけれど、
ランナーが地面に伝えたエネルギー以上のリターンは、動力を搭載しない限りあり得ない。
地面反力をカーボンプレートで転がる動きにガイドするデザインが、
これまでのシューズに無かった発想であるということ。
ズームXの柔らかく弾む性質と、うまく融合している。
それでも、履けば誰もが速くなるわけじゃない。
言ってみれば、ただのスニーカーに過ぎない。
VFを調べても、反則な要素はどこにも無い。
ではなぜ、ドーピングシューズ、公平性を欠く、反則だと言われるのか。
世界陸連の会長コーさんが言ってるのは、
過去との公平性を保て!ということ。
ジャーナリストよ、ここを伝えろよ。
問題は、何と比較するかなんだ。
だから、VFだけをどんなに調べても問題は出てこない。
シューズに反則要素はない。
VFは推進力を与えるものではない。
構造もシンプル。
ナイキしか作れないものじゃない。
でも、過去には無かった。。。
当たり前か…
VFは現代、現在においてはフェアである。
しかし、過去と比較するとアンフェアである。
もっとわかりやすく言うと、
俺らの頃はそんなの無かったじゃん!!
ずるいじゃん!!
って、大先輩方がごねにごねてるってこと。
これを日本では老害という。
昔に比べたら、こんなに違うじゃん!
っていうデータを取らせて、こんなにズルいという証拠を集めてる。
世界陸連のシューズ規制案も、データから導いたものじゃないんだよね。
まず規制したくて、それからデータ集めたんだよね。
記録がどんどん出てきたら、
俺たちが作ってきた歴史をないがしろにするなよ!!
という過去の遺産を守りたくて、焦り出した。
それが本当のところ。
規則作ってまで守りたいのは、プライドなんだ。
アスリートに限らず、勝ちたい、自分の名を刻みたい、
というエゴは、人を動かす強力な原動力になっている。
残してきた功績を、認めて欲しいのが人間だ。
試行錯誤の繰り返しで、既成概念を打破し続ける。
それが人生であり、ビジネスであり、スポーツである。
だから、時間の経過、時代と共に、過去は置き去りになる。
記録はどんどん塗り替えられる。
いつかは越えられるのがスポーツだ。
VFが世に出てからは、あらゆる距離で記録の更新が一気に進んだ。
シェアの広がり方も凄まじかった。
変化が早過ぎた。
だから、「越えられる側」からの、ちょっと待ったが出た。
過去にお伺い立てずに、新しいもの使ってんじゃないよ。
昔はこうだったんだから、それに従っとけよ。
コーさんが言ってる事は、つまりそういうこと。
先達の残したものを、後世が引き継いで、既成概念をどんどん打破していく。
それでいいんじゃない?
お茶の間にも広がった「厚底シューズ」の規制話。
機能という科学ではなくて、過去が基準な旧態依然で上意下達なオトナの事情。
繰り返します。
VFは現代においてはフェアなシューズです。
続編のシリーズ化もあるかも(多分結構先)。
お楽しみに。