地獄と天国を分かつ
来週末は今年最後の大会、島田大井川マラソン(フル)が控えている。
にも拘らず、この所全く調子が上がらず、走れば走るほど走れなくなっていた。
疲労が溜まっているわけでもなく、練習をサボっているわけでもない。
例年なら涼しくなるとグッと調子が上がるのに、涼しくなった途端にガクッと調子を崩した。
そうそう、やや暑くなった先週の始めごろ、珍しくスピードトレーニングをしてみたところ悪くないペースで走れたことで、手応えを掴んでいた。
その後、急に走れなくなっていった。
のんびりしたペースでも苦しく感じ、余裕が無い。
頑張ってもペースが上がらないし、しんどい。
スローペースなのに、距離も走れない。
というどん底状態。
重い、だるい、しんどいのトリプルパンチ!!
体も異常に浮腫んでいるのを感じた。
昨日の夜、気合を込めてわざわざ雨の中走りに行った。
かなりゆるいペースでも走り続けることができなくなり、後半はほとんど歩いた。
おかしい。
痛くも痒くもないのに、走れない。
7kmくらいゆっくり走っただけで歩いたのに、これでフルマラソンで勝負できるわけがない。
いかーん!!!
とりあえず浮腫みを取ろうと、朝はでっかいコップに2杯水を飲んだ(1.5Lくらい)。
余計な水分を体外に排出するためだ。
それもあって、今日は1日を通してよくトイレに行ったと思う。
振り返ってみると、このところトイレに行く回数も減っていた。
昨日は途中で走れなくなり、歩いて帰ってきた前科を踏まえ、10kmを気持ちよく走り切ればOKというつもりで、今日も真っ暗になってから走り出す。
今日は久々の相棒が足元にスタンバイしていた。
NewBalanceの精鋭、「HANZO T」だ。
練習モデルでありながらレースでも申し分なく使える。
スピードも距離も両方行ける、耐久性も抜群の隠れた最高傑作。
夏頃は品薄になり、今頃になってようやく在庫が揃ってきた。
夏から秋までは、オールランドに使えるトレーニング用のシューズを何足か履き回していたけれど、どれも感覚は良くなかった。
そんな愛する相棒を履いて、ペースは気にせず気の向くままに10km…
「やっぱりトレーニングはHANZOに限るな…」とその快適な走りを久々に味わう。
力まずにスピードに乗る感覚は、随分久しぶりだった。
全然息も上がらず、苦しみもせず、意図せずにキレイなビルドアップ走になっていた。
なんだ!?走れるじゃん!!!
恐らく問題はシューズにあったのだと思う。
ほんの少しの感覚のズレで、しなくていい苦しみを味わい、非効率な力の使い方になっていた。
日々のトレーニングで履き潰していくシューズほど繊細でなければならない。
そこに寒暖差や気圧の変化の影響もあって、まるで走れなくなっていたのだろう。
昨日は数キロで歩いたのに、今日は爽快にビルドアップ走…
地獄を見た次の日は天国も見えたような気がした。
朝走る日々が続いていたけれど、真っ暗の夜に明かりも無しで走るのも悪くない。
フルのベスト2時間36分07秒の更新に、少し期待が持てた金曜の夜だった。