シューズが合うか合わないかよりも

車の灯油漏れ事件から10日。
猛烈な灯油臭は、パーツクリーナーで中和し、
それごと集塵機で吸い取るという技によって、
ほぼ気にならない程度になった。
犠牲になったのは、1足のシューズ。
ズームフライフライニットが灯油漬けになり、材質が変性した。
練習エースだったシューズとのお別れになった。
代わりに、ヴェイパーフライフライニット(以下VFFK)を練習エースに格上げした。
練習エースの宿命は、徹底的にこき使われて、履き潰される事だ。
ペースを管理するトレーニングは、
レースで使えるモデルのシューズでやりたい。
これまでVFFKは、どうもアッパーの具合や、
ソールの感触が合わないと感じる事があって、
何度かレースで履いてはいるものの、補欠になっていた。
勝負シューズ>練習エース>ジョグ用>補欠
補欠になるのは、ジョグ用や練習エースにはもったいないが、
勝負シューズには選ばないという、実に微妙な立ち位置のシューズ。
なぜそんな存在が出てくるのか。
シューズはシーズンごとに、モデルチェンジがある。
カラーチェンジだけならまだしも、新しいモデルで重さや反発性、
素材の変更があると、それまでの勝負シューズは、補欠に回る事になる。
モデルチェンジすると真っ先に買うから悪いのだが…笑
しかし、履き潰すにはもったいない。
取っておく。
ずっと使われない。
という、ファッションと同じ構図が出来上がる。
福岡国際で痛い目を見て、体の使い方を「感覚的」に大きく変えた。
外側から見たら大きな変化は無いかもしれない。
しかし、僕自身の内的な感覚は、とても変わっている。
感覚を変えたら、ちょっと合わないなと感じていたVFFKを、
走りにくいなと感じなくなった。
踵が緩くて脱げそうになったり、ソールが不安定に感じる事も無くなった。
インターバルも、ペース走も、距離走も、なんならジョグも、
VFFKでいいんじゃないかと思えてくるほどに、マッチするようになった。
何が起きたか。
要は、元の僕の感覚が歪んでいたのだ。
シューズが合わないのではなく、自分の動きがおかしくなっていたのだ。
情けない。
ペースを管理して走る時に使うVFFKと、
ジョグや時間走で使うフリークスジャパンは、
ソールの材質や構造、重さも全く違うシューズでありながら、
福岡国際後からは、同じ感覚で走れるようになった。
どっちも走りやすい。
フリークスジャパンは、驚異的な耐久性がある。
こんな丈夫なシューズは他にない。
全く違うシューズを、同じ感覚で履けるようになって、改めて分かった。
シューズが合う合わないは、使い方や感覚を含めた、体の状態が大きく左右する。
状態の良くない時ほど、合う合わないの差がひらく。
状態が良い時は、何でも履ける。
ランナーが常に、良いと感じるシューズを追い求め続けるのは、そんな理由が大きい。
「他はもう履けない」というのは、要注意。
練習エースに昇格したVFFKは、
今後は構造が崩壊するぐらい、こき使ってみたい。