アキレス腱痛とサヨナラ
もうすっかり忘れていたけれど、数か月前にアキレス腱痛に苦しんだ時期があった。
初めての経験だったし、シャレにならない位痛むので、これがまたいい勉強になった。
どんな状態だったかというと、アキレス腱が踵の骨に着いている辺りがまず腫れた。
素人目にも分かる位に腫れた。
触れると痛い。
歩くのも走るのも痛くはないけれど、シューズによって腫れている所が当たると、かなり痛い。
想像して欲しい。
見た目は、踵に梅干しが入っているようだった。
(分りにくい?)
それも半端な痛みではなかった。
正座の形からつま先だけ曲げて、アキレス腱の辺りにお尻を乗せた時に、踵が痛いのに気が付いた時から始まった。
色々と策を取ってみても、全然良くならない。
一時的に良くなったとしても、時にはひどくなることもあった。
この腫れあがったアキレス腱は、一生このままなのだろうか。
そんなことも考えた。
アキレス腱が踵の骨に着くところは、繰り返し引っ張られることで、トゲ状の骨ができることもある。
それも疑ってはみた。
触ってみたり、動かしてみたところで感じたのは、主に全身の関節にある「滑液包」が、炎症を起こした時に腱や靱帯、滑膜と擦れた時に出る、独特の摩擦音と感触だった。
滑液包は、関節の動きを滑らかにしたり、摩擦を減らす役割がある。
アキレス腱には、滑液包が表面と深部と2カ所ある。
腫れているのは、表面側のようだった。
表面側が腫れるとしたら、原因はひとつしかない。
外部との摩擦である。
走る時にも腫れている部分にヒールカップが当たらなければ、全く痛くなかったことにも合致する。
そこで、腫れている部分が当たるシューズを履くことを一切やめた。
古くなってヘタレてきたシューズは、新品と交換し、新しいものも踵の当たりが無いものに変えた。
それから1週間程すると、何をしても小さくならなかった腫れが徐々に小さくなり、踵に埋め込まれた梅干しのように腫れた滑液包は、全く目立たなくなった。
これで一件落着…とはいかない。
問題は、同じシューズを履き続けていたのに、なぜ急に発症したかである。
仮説のひとつ。
走り込みの強度が上がるにつれて、ふくらはぎ等の下腿(膝から下)の筋肉の緊張度が高まり、アキレス腱の張力も増強。
ピンピンに張られたアキレス腱が、普段は当たらないシューズのヒールカップと擦れて滑液包の炎症を引き起こした、というものである。
滑液包の働きのひとつは、外部との摩擦を和らげることであるから、体の設計としては見事に役割を果たしているといえる。
喉元過ぎれば何とやらで、すっかり忘れていたアキレス腱痛。
身を持って体験することは、またとない勉強になる。
体に起こっていることが、イメージとしてつかめなければ、施術はできないから。
故障は乗り越える程に財産になる…
今日も長々と読んで頂き、ありがとうございました!